生前の不手際で…3人家族の生活費「月19万円まで」辛い現実

相続税の対策をしなければ、遺された家族に大変な負担を残してしまうことになります。どうすればそのような状況を避けられるのか? 株式会社ブレーントラスト代表の秋山哲男氏が解説します。

アパートの建築で日々の生活が苦しくなっては本末転倒

相続対策のポイント 収益性を確保する

 

実際に相続対策を構築していく上での考え方、手法をご紹介していきます。

 

私がお客様によくお話しすることがあります。それは、「相続税対策の前に、所得対策、つまり現状の生活を維持するための所得の確保、キャッシュフローをしっかりと確立させてください」ということです。

 

わかりやすく例え話で解説いたしましょう。所得対策はスポーツでいえばボクシング。1ラウンドでノックアウトされたら、それでおしまいとなるように、日々のお金がショートしてしまったら、そこからの生活は成り立ちません。一方、相続税対策は野球にたとえられます。9回裏2アウトでも逆転可能なように、やり方によっては、人生の最終で巻き返すことも可能なのです。

 

たとえば、賃貸物件を建てれば、相続税評価減にはつながりますが、その後も月々のローンの返済、固定資産税の負担、10数年後の修繕に対する積み立てなど、さまざまな負担がつきまといます。相続発生時のための対策を優先したがために、そこで日々の生活の収支が回らなくなってしまっては、意味がありません。

 

だからこそ、相続対策においても「収益の確保」を優先すべきなのです。ですから、すでに指摘したように、「相続税対策なので、儲からなくていいのです」賃貸経営を勧める業者がそんなふうにうそぶいたとしても、決して真に受けないでください。

 

所得対策が大前提であることに加え、なんのために、誰のために相続対策をするのか。冷静に考えていただきたいのです。相続対策で賃貸アパートを建て、利益はトントンだったけれど、相続税は減額できた。百歩譲ってそこまではいいとしても、遺産分割をする際に"儲からないアパート"を誰が相続したいでしょうか。

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

相続対策は次世代になるべく多くの財産を遺すためにほかなりません。つまり、相続税を払う時だけのためだけでなく、相続人の生活の糧にならないといけない。かえって重荷になったのでは本末転倒です。そして、納税のために資産全部を売却せざるをえない事態に陥らないよう、その資金対策のためにも収益をしっかり上げていかねばならないのです。

 

株式会社財産ブレーントラスト 代表取締役

1958年7月生まれ。94年、株式会社船井財産ドック(現在東証第二部に上場している株式会社青山財産ネットワークス)に入社。97年に事業部長、2001年に取締役に就任、04年東証マザーズ上場時に、上場の鐘を叩く。05年現場での仕事にこだわり、執行役員に降りる。08年、再度取締役に就任。09年、全国ゴルフ練習場連盟の理事に就任する。10年に退任。
12年12月、一人ひとりのお客様に対して、もっと深く密な財産コンサルティング業務に特化したいとの思いから、株式会社財産ブレーントラストを設立。
著書に『あなたの土地の有効活用はやめたほうがいい』『不動産現金化の時代』『あなたの資産 再生いたします』『改訂版 あなたの土地の有効活用はやめたほうがいい』(全て実業之日本社)、『都心不動産 買い方のコツ』『地主心得帳』『買ってよい不動産・悪い不動産』『3年後 崩壊する地主・生き残る地主』(全てPHP新書)等。

著者紹介

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