2020年4-12月期決算レビュー~業績回復傾向を確認

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供する「市川レポート」を転載したものです。

 

●4-12月期決算は依然として減収減益だが4-9月期の実績からは業績の回復傾向が確認された。

●業績は四半期毎の推移をみると明確に改善基調をたどっており、製造業の持ち直しがより鮮明に。

●市場の関心は来年度の業績へ、2ケタ増益の予想もあり一段の回復期待は日本株の支援材料。

4-12月期決算は依然として減収減益だが4-9月期の実績からは業績の回復傾向が確認された

日本では、3月期決算企業による4-12月期の決算発表がほぼ終了しました。そこで、今回のレポートでは、東証株価指数(TOPIX)を構成する3月期決算企業(金融を除く)について、2月17日時点で集計した1,347社の決算内容を検証していきます。なお、集計時点における決算発表の進捗率を確認しておくと、銘柄数、時価総額ともに約99.7%となっています。

 

はじめに、4-12月期累計の実績を確認すると、前年同期比で売上高は11.1%減、営業利益は25.2%減、経常利益は約14.7%減、純利益は15.2%減という結果になりました。依然として減収減益の厳しい数字となっていますが、4-9月期累計の実績を振り返ると、売上高が14.8%減、営業利益が41.6%減、経常利益が約37.0%減、純利益が39.0%減でしたので、業績の回復傾向が確認されます(図表1)。

 

(注)4-6月期は2020年8月17日時点、4-9月期は2020年11月16日時点、4-12月期は 2021年2月17日時点の集計。対象はTOPIXを構成する3月期決算企業(金融を除く)。 <br>(出所)QUICKのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表1]2020年度四半期累計の企業業績 (注)4-6月期は2020年8月17日時点、4-9月期は2020年11月16日時点、4-12月期は2021年2月17日時点の集計。対象はTOPIXを構成する3月期決算企業(金融を除く)。
(出所)QUICKのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

業績は四半期毎の推移をみると明確に改善基調をたどっており、製造業の持ち直しがより鮮明に

次に、10-12月期の四半期実績を確認すると、前年同期比で売上高は5.1%減、営業利益は13.6%増、経常利益は37.9%増、純利益は42.1%増と、減収ながらも増益という結果になりました。前回の7-9月期は、売上高11.9%減、営業利益26.0%減、経常利益14.7%減、純利益13.8%減でした。また、4-6月期は、売上高18.6%減、営業利益52.6%減、経常利益50.2%減、純利益62.6%減でしたので、業績は明確に改善基調をたどっています(図表2)。

 

(注)4-6月期は2020年8月17日時点、4-9月期は2020年11月16日時点、4-12月期は 2021年2月17日時点の集計。対象はTOPIXを構成する3月期決算企業(金融を除く)。 (出所)QUICKのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
[図表2]2020年度四半期毎の企業業績 (注)4-6月期は2020年8月17日時点、4-9月期は2020年11月16日時点、4-12月期は2021年2月17日時点の集計。対象はTOPIXを構成する3月期決算企業(金融を除く)。
(出所)QUICKのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

なお、10-12月期の四半期実績について、製造業、非製造業の区分でみると、製造業は前年同期比で売上高が2.6%減、営業利益は42.4%増、経常利益は58.6%増、純利益は64.4%増でした。一方、非製造業は、売上高が8.2%減、営業利益は16.1%減、経常利益は21.5%増、純利益は22.8%増でした。ここから、相対的に製造業の回復度合いが、より強いことが分かります。

市場の関心は来年度の業績へ、2ケタ増益の予想もあり一段の回復期待は日本株の支援材料

最後に、2020年度通期の業績予想を確認すると、前年度比で売上高は8.6%減、営業利益は24.4%減、経常利益は21.3%減、純利益は21.0%減となっています。参考までに、製造業の通期業績予想は、売上高が9.2%減、営業利益は9.7%減、経常利益は0.6%増、純利益は10.8%増で、経常利益と純利益は増益予想となっています。非製造業は、売上高が7.8%減、営業利益は39.5%減、経常利益は44.1%減、純利益は43.5%減の着地予想です。

 

今回は、市場予想を上回る決算内容の発表や、通期業績予想を上方修正する動きが目立ちました。ただ、市場の関心は、今年度の業績ではなく、すでに4月からの新年度の業績に移っているとみられます。3月期決算企業による新年度の業績予想は、次の決算シーズン(4月下旬から5月上旬)を待たざるを得ませんが、市場では前年度比で2ケタの増益も見込まれており、一段の業績回復期待は、日本株を支える大きな要因になると考えます。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年4-12月期決算レビュー~業績回復傾向を確認』を参照)。

 

(2021年2月18日)

 

市川 雅浩

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

チーフマーケットストラテジスト

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト

旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)で為替トレーディング業務、市場調査業務に従事した後、米系銀行で個人投資家向けに株式・債券・為替などの市場動向とグローバル経済の調査・情報発信を担当。
現在は、日米欧や新興国などの経済および金融市場の分析に携わり情報発信を行う。
著書に「為替相場の分析手法」(東洋経済新報社、2012/09)など。
CFA協会認定証券アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員。

著者紹介

投資情報グループは、総勢14名のプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場についての運用会社ならではの高度な分析を社内外に情報発信しています。幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、活動する機会や媒体は多岐にわたります。年間で約800本の市場レポートを作成し、会社のホームページで公開中(2019年度実績)。

著者紹介

連載【市川雅浩・チーフマーケットストラテジスト】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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