不完全な業界の混沌から新たなものが生まれる
時にその飽きっぽい性格は、製品のデバッグ作業(プログラムの間違いがないか確認する検証作業)の不確実性を生んでしまい、大きな不具合になることがあります。
ただ、ここはサービスの特性上、インターネットなどは修正が手軽にでき差し替えも新聞や雑誌とちがって、好きなタイミングでできるので、「少しくらい大丈夫」という甘えがでてしまうのも事実です。本当にIT業界には、コツコツと地道に同じ作業ができる方が少ないように思えます。
インターネットやプログラムといったものは、手軽に修正や訂正が可能です。また、それに加えて在庫という概念がないのも、投資やサービスが拡充していく大きな要因になっているでしょう。
このコロナ禍でも、在庫や店舗といった固定資産は、不景気には負担になるという面を露呈しました。また、リモートワークという言葉のとおりパソコンとネット回線があれば、世界中どこでも仕事もできるのもIT産業の大きな強みでしょう。
他の業種からみれば、ITなんて所詮いい加減に仕事やって、対価よりも多くの賃金をもらっていると思われているかもしれません。ただ、正直、それは間違っていないと思います。世間の方々が知らないことをいい事に、テクノロジーやDXといった、かっこいい言葉で惑わしていることも、ないとは言えません。
なぜこんなサービスが流行るの?というものも中にはありますが、ちょっとタイミングがズレていたり、SNSで話題にならなかったら流行っていなかったサービスも多くあるでしょう。もちろん、どのサービスも開発者たち全員、世に受けると思い、作り出していることは変わりません。
時にヒットしたサービスが出ると、類似したサービスが各社からリリースされ、そこから変異体にように派生したものもリリースされ、スマッシュヒットするということもあります。
楽して稼いでいると言われても、それを真っ向から否定する理由もありません。
このようにIT業界は、承認欲求が強く、飽きっぽいけど、新しいことが好きな人種が集まり、業界を形成しているのかもしれません。楽して稼ぎたいので、そのようなサービスを考え、提供しているのかもしれません。マシンガンのようにトライアンドエラーができる環境とメンタルが揃っている。ただそこは飽きっぽさと不真面目さからたまにバグも出てしまう、ある意味まだまだ不完全な業界なのかもしれません。
IT企業はどれも優れていて、これからも安泰だとは決して思いませんし、まだまだ他の業種に比べてチャラい様相が多分にあることは否めません。それでも、IT業界はいろいろな選択肢やテクノロジーをマーケットに出し続けていくでしょう。それが、世に認められようと、そうでなくても怯むことなく、続くでしょう。
佐野 敏哉
株式会社Macbee Planet エヴァンジェリスト
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