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1月の投資環境

1月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。世界の株式市場は、上旬は米上院でも民主党が過半数を獲得し、米国の財政支出拡大への期待が高まったことなどを背景に上昇しました。その後、新型コロナの変異ウイルス感染拡大への懸念などから一時、下落しましたが、バイデン政権下での景気刺激策への期待や、IT企業などの良好な決算などを受けて上昇に転じました。

 

月末にかけては、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で景気回復ペースの鈍化が指摘されたこと、新型コロナのワクチン接種の遅れへの懸念などから下落しましたが、月間では上昇しました。

 

業種別では、エネルギー、ヘルスケア、情報技術などの上昇率が大きくなりました。一方、生活必需品、資本財・サービスは下落しました。

 

水関連企業(現地通貨ベース)の株価は株式市場が上昇するなか、市場を上回る上昇となりました。装置製造・エンジニアリングセクターが最も好調でした。また、株式市場のボラティリティが高まる展開となるなかで、ディフェンシブ性が好感され、下水道ビジネスセクターが堅調に推移しました。これに加え、化学物質のPFASの処理コストを水道料金に反映することが、多くの投資家に認識されるようになったことも同セクターにとっての追い風になると考えています。一方で、環境マネジメントセクターは相対的に軟調な展開となりました。

 

装置製造・エンジニアリングセクターでは、ダナハーやサーモフィッシャーサイエンティフィック等に関して、水質検査等の主要事業が再び成長トレンドに回復したことに加え、新型コロナウイルス関連のワクチンや治療薬の開発関連製品に対する需要が2021年においても継続すると見込まれることを背景に、株価が好調に推移する展開となりました。

 

環境マネジメントセクターでは、ウエイスト・マネジメントを筆頭に、米国大統領選挙の結果を受け、利益確定売りが進行し、株価が軟調に推移しました。一方で、同社に関しては好調な住宅建設関連事業の寄与に加え、景気回復に伴う商業施設及びホテル・レストランなどの施設向け事業の回復が期待されています。

 

円換算ベース、月次、期間:2011年1月末~2021年1月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース) 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2011年1月末~2021年1月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

月次、期間:2011年1月末~2021年1月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数※2020年10月より構成銘柄が一部変更になっています。 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2011年1月末~2021年1月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
※2020年10月より構成銘柄が一部変更になっています。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

今後の見通し

2021年においても、現在、市場を取り巻いているマクロ経済や地政学的リスクに関する不透明感が継続する見込みです。新型コロナウイルスの感染拡大次第で金融・財政政策などが影響を受け、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、失業率や世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。一方、世界的なワクチン接種の拡大への期待が楽観的な見通しを支えています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連株式は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

 

※個別の銘柄・企業については、あくまでも参考であり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2021年1月の水関連株式市場』を参照)。

 

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【ご注意】
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