5ヵ年規画の標準的な策定プロセス
中国百度(バイドウ)百科によると、5ヵ年規画の標準的な策定は概ね次のようなプロセスを辿る。
①中期評価
進行中の規画が中間年を過ぎた時点で、国務院(内閣に相当)の委託を受け、発展改革委員会(発改委)が中心となって実地調査、アンケート調査、座談会などを通じ、幅広く実施状況について意見を聴取。それに基づき「〇〇次規画綱要実施中期評価報告」を策定。
②前期調査研究
発改委が上記実施中期評価を基礎に、内部の検討と外部委託研究で基礎調査、情報収集、課題研究を行う。それらを基に次期規画に入れるべき重要項目を抽出。検討項目は通常数百以上、参加する専門家は数千人、研究員1万人以上にのぼり、数百万字に及ぶ研究報告が策定され、これが直接「規画綱要」起草につながる。このため、中国当局は前期調査研究を「世界最大規模の公共政策集体研究」と自負している。
③形成思路
前期調査研究を基に、発改委が規画の基本思路(考え方)を起草し、それを基に各地区や各分野の専門家の意見を聴取し、党中央と国務院に報告。党政治局常務委員会の議論を経て政治的共通認識を形成した上で、各方面に伝達。
④建議(提案)草案策定
国務院研究室、発改委を始めとする各政府部門から成る起草小組(小チーム)が、党政治局常務委員会の直接指導の下、「〇〇次5ヵ年規画建議草案」を策定。起草小組は資料を集中学習した後、課題毎に専門グループを設け各地で実地調査を実施する一方、各方面の意見を聴取し建議を策定。
⑤建議の承認、綱要策定、専門家による検証
党中央委員会全体会議(通常は、その時の政権期間(届)中に開かれる第5回全体会議、通称5中全会)で建議を審議・承認した後、党中央が建議を正式に対外発表。発表後、綱要草案初稿策定。この過程で発改委は複数回にわたって専門家と議論し、その検証を求める。国務院、全人代に綱要草案とその重要参考資料として検証結果を送付。
⑥意見聴取、全人代への付託
国家機密を除き、規画策定部門は綱要草案を公開し、書面または座談会開催などを通じて、各地域、企業や農民など社会各層の意見を聴取。綱要草案を国務院常務委員会・全体会議、党政治局常務委員会・会議が審議・承認した後、正式に全人代に付託。
⑦全人代の審議・承認、正式公布
全人代専門委員会・常務委員会の代表委員が事前に検討した後、全人代で国務院総理(首相)が政府工作(活動)報告の中で草案を説明し可決、正式公布。
第14次5ヵ年規画については、2018年12月、発改委が「第13次規画綱要実施中期評価」を策定し全人代常務委員会に提出(上記プロセス①)、次いで19〜20年にプロセスの②〜⑤が進行した。
前期調査研究については、事務方中心人物の1人と目される韓文秀党中央財経委員会弁公室副主任によると、60以上のシンクタンク・政府部門が37項目にわたる重要課題について130を超える研究報告書を作成した。それらを基に、20年10月末に開かれた第19届(期)第5回党中央委員会全体会議(5中全会)で、約2万字、15項目、60条から成る建議が採択され、規画の概要がすでに明らかになっている。
まもなく21年3月に開催される予定の全人代で規画綱要を決議し、過去の例に従えば、その後6月頃までに各専門分野の綱要が順次発表される見込みだ。なお各省市区も並行して各々の5ヵ年規画を策定するが、21年1月までにすでに全国全人代に先駆けて各地方全人代を開催し、各々の5ヵ年規画綱要を決議している。
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