幻冬舎ゴールドオンライン特別企画『実録!中年オヤジの体当たり投資「かめぞーが行く」』。今回の体当たり先は「アンティークコイン投資」です。第1弾となった前回、1億5000万円超の「土地値物件」購入を即決したかめぞーでしたが、第2弾の冒頭では「勢いが過ぎた」と少し反省ぎみの様子。そこでまずは、業歴40年を超える老舗のコイン取扱会社、株式会社ダルマの代表取締役・大谷雄司氏に、アンティークコイン投資のいろはを聞きに行くことに……。

アンティークコイン投資が「大ブーム」だ!

「アンティークコイン投資」。聞いたことがない人は、「切手収集みたいな趣味とは違うの?」と思うかもしれないが、投資対象としての歴史は長い。ヨーロッパの人々は2000年もの大昔から資産の保全(物価の上昇に備えるインフレヘッジ)目的で、金などの貴金属から鋳造されているアンティークコインを保有してきた。インフレが発生して貨幣(お金)の価値が下がっても、現物である金などの貴金属の価値は相対的に上がるためだ。

 

日本でも一部のコレクターが収集していたが、希少性やデザインの美しさなどから、アンティークコインの需要は拡大し続け、売買の際にインフレヘッジ以上の値上がり益まで期待できると認識されるようになり、広く世界中で投資対象として人気を集めるようになった。

 

その価値はどこから生じているのか? 「世界で数枚しかない」「デザインが貴重で、美しい」など、趣味の世界によるところも大きいが、昨今では、ネットオークションの発展やコレクターの増加によってアンティークコイン購入の競争が激化している。アンティークコインは再生産されることがないため、オークションでの競りも激しさを増す一方だ。今後はさらに買いたい人が増えることが予想され、これまで以上の価格上昇を期待する声も多い。

 

現物の貴金属としての価値に趣味的要素による価値が加わり、さらに「投資対象としての人気」が拍車をかけて、大ブームとなっているというわけだ。「欲しがる人」が増えるほど、価値は上昇していくのである。

 

ということは、「今後、さらに人気が出そうなコイン」を選ぶことができれば、投資として「大勝ち」することも夢ではない。

コインを選ぶ際には、どこに注目したらいいのか?

「人気が出るアンティークコイン」を当てるには、どのような点に注目すればいいのか。コインの価値を選定するポイントを見ていこう。

 

一般にアンティークコインとは製造されてから100年以上たったコインのことを指す。数千円程度のものから1億円以上のものまで、さまざまな種類があるが、基本的にはそのコインの、①状態、②希少性、③歴史的背景、④デザインという4つのポイントによって価値が決まる。投資をする際は、これらのポイントを踏まえて購入するコインを決めることが重要だ。

 

100年に一度しかオークションに出品されないようなアンティークコインもある。そういった貴重品が表舞台に出た際に落札し損ねると、二度と手に入れることができなくなってしまう。だからこそ、希少なアンティークコインは価格が跳ね上がりやすく、投資対象としても魅力的となる。

 

ところで、コインの中には「スラブ」というコインのグレードを証明する密閉ケースに入っているものがあるが、コレクターによっては、入手したコインを触りたいがためにスラブを破壊する人もいるそうだ。「傷つけてしまわないか…」よりも、「自分の手で直接触れてみたい」というわけだが、この点を見てもやはり趣味性の高い投資対象といえる。

 

ふちで持てば大丈夫だという大谷氏
ふちを持てば大丈夫だという大谷氏と、指紋が気になるかめぞー

 

それでは、実際に見せてもらったアンティークコインをいくつか紹介していこう。

ジョージ2世 5ギニー

ジョージ2世(在位:1727年~1760年)のコインは、青年期のものと老年期のものがあるが、これは後者。状態はかなり良く、PSGSというアンティークコインの状態を評価する会社が判別する70段階評価の中で、53の評価を得ている(準未使用という評価)。価格は350万円。

 

ジョージ2世 5ギニーのコイン
ジョージ2世 5ギニーのコイン

 ザルツブルグ大聖堂 12ダカット

オーストリアのザルツブルグという都市が製造したコインで、大聖堂とその両隣に教皇がデザインされているのが特徴的なコインである。当時のザルツブルグは貿易都市で栄えており、司教が取り仕切る都市だったので、あまり見られない珍しいデザインとなった。ザルツブルグ大聖堂の12ダカットの金貨は数十枚しか現存しておらず、希少性が高いコインである。なお、ダカットとは中世ヨーロッパで広く流通した通貨の単位だ。価格は1250万円。

 

ザルツブルグ大聖堂 12ダカットのコイン
ザルツブルグ大聖堂 12ダカットのコイン

スイス バーゼル 10ダカット

現存10枚程度しか確認されていない貴重なコインで、表面にはスイスにあるバーゼルという町の風景がデザインされている。町の絵(シティービュー)が描かれている12ダカットのコインは珍しく、このコインの貴重性を高めている。1650年に製造されていて、1649年の洪水復興の記念コインとして製造されたという歴史がある。スイスにも皇帝がいないので町のデザインになった。価格は2400万円。

 

スイス バーゼル 10ダカットのコイン
スイス バーゼル 10ダカットのコイン

マキシミリアン2世 10ダカット

形は小さいが、1567年に製造された現存一品しかないコインであり、現在のドイツ、オーストリア、チェコ、イタリア北部に版図を持った神聖ローマ帝国の皇帝の肖像がデザインされている。ほかのコインも同様だが、金貨はその時代の最新技術を使い、最高のデザイナーがデザインしたものである。そのようなコインが現存一品しかないという、大変貴重なものとなっている。価格は3600万円。

 

マキシミリアン2世 10ダカットのコイン
マキシミリアン2世 10ダカットのコイン

スイス ルツェルン 12ダカット

今回は大きなコインオークションが行われる直前ということで、出品されるコインを特別に紹介してもらった。

 

まずは、今回のオークションの目玉で、スイスのルツェルンの12ダカットコインである。現在世界に1枚しかなく、オークションカタログの表紙にもなっている極めて貴重なコインだ。表面には司教が雲の上から街を見下ろす姿、裏面には協会・司教・騎士が並んでいる様子がそれぞれ描かれている。同じような町の風景(シティービュー)、10ダカットのコインでも現存するものが10枚程度であれば2000万円から4000万円ほどになることも多いという。このコイン、オークションでは1400万円から売りに出される。

 

スイス ルツェルン 12ダカットのコイン
スイス ルツェルン 12ダカットのコイン

レオポルト1世 10ダカット

最後は、神聖ローマ帝国の皇帝レオポルト1世(在位:1658年~1705年)のコイン。特に希少とされる若い頃の肖像で、オークション出品予定のコインは状態が良く、髪の毛の意匠などにも磨滅がほとんどない逸品。オークションでは1300万円から売りに出される。

 

レオポルト1世 10ダカットのコイン
レオポルト1世 10ダカットのコイン

「アンティークコインについて、完全に理解できた…」

今回、動画内では触れていたが、ここでは紹介できなかったコインもたくさんある。 有名な歴史的人物の人物画のデザインはもちろん、意外なデザインのコインもいくつか紹介されて、かめぞーも驚嘆していた。

 

ほかにも、「コレクターたちがどんなときにコインをオークションに出品するのか」、「どのようにオークションのスタート価格を決定するのか」など、とにかく気になる情報を、いつのまにか動画3本分も聞き出していたかめぞー(高額投資になるのだから当たり前ではある)。

 

冒頭の「前回は勢いが過ぎた」という反省は何処吹く風、アンティークコインオークションへ参加の決意を固めるのであった。

 

※本記事は幻冬舎ゴールドオンラインYouTube企画『実録!中年オヤジの体当たり投資 かめぞーが行く~アンティークコイン投資チャレンジ』を再編集したものです。

 

 

 

GGO編集部

 

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