神奈川県相模原「橋本」にたたずむ1億5,790万円物件
今回の舞台は、神奈川県相模原市の「橋本」。緑区、中央区、南区から構成された都市再生特別地区だ。相模原市の都市核に認定された地域であり、神奈川県では横浜市、川崎市に次ぐ人口を誇る。
「橋本」駅の乗降客数は1日約12万人。JR横浜線、相模線、京王電鉄相模原線の計2社3路線が乗り入れており、交通利便性も十分にいい。
「橋本」から「新宿」は、京王線相模原線利用で平日日中40分弱、「横浜」へはJR横浜線で同じく40分ほど。通勤時間帯ではさらに時間はかかるが、十分に通勤圏内といえる距離だ。なおJR駅の乗車客は約6万6,000人/日、京王線駅の乗降客は約9万8,000人/日と、「神奈川県の北の入口」として存在感を示している。
さっそく今回の投資物件を見ていこう。ファミリータイプのアパート2棟。どちらも築30年前後を経過しているが、見た目は整っている。「橋本」駅まで徒歩8分で、その道中にはコンビニもあり、豊かな銀杏並木を楽しめるスポットだ。
物件の間取りは2DKが6室と3DKが4室。内覧したかめぞー曰く「ぶっちゃけ普通というか…スペシャルな感じはしない」。
気になるお値段は「1億5,790万円(税込み)」、満室時の利回りは6.90%。…といっても、あまりピンと来ないかもしれない。
実際の物件ステータスは下記になる。住みたい or 買いたいだろうか?
【物件の全貌】
ファミリータイプのアパート(2棟)
2DK・6世帯/3DK・4世帯
平成元年/平成5年(築30年前後)
駅から徒歩8分
軽量鉄骨造
227坪
路線価70万円/坪
価格1億5,790万円(税別)
利回り6.90%(満室時)
当たり障りなさすぎる物件に思えるかもしれない。実は、本企画の最大のポイントは「土地値物件」にあった。
築古物件をリフォーム…「土地値物件投資」の全貌
土地値物件とは一言で「不動産購入金額と土地金額がほぼ変わらない物件」を指す。
新築物件の価格は、土地の価格とそこに建つ上物(アパートなど)の価格の合計になるが、築年数が経過していくにつれて、建物価格が売買価格に反映されず「ほぼ土地の値段だけ」という物件が出てくることがある。木造や軽量鉄骨の建物の価値は、約20年でほぼゼロになってしまうからだ。
土地値物件の建物部分は、今後も賃貸可能な(メンテされている)状態で専門業者から購入する。築25~30年程度の物件をリフォームし、安価な家賃で入居してもらうことで、継続した満室経営を目指している。たとえば今回の物件では、オーナーの収益が最大化されるよう、相場より安い家賃を保ちつつ、和室の襖や洋室のクロスなどをリフォームしていた。
担保価格は「土地値」だけで十分なので、銀行融資も比較的確保しやすい。個人の所得税対策として築古木造物件の4年償却などの活用の道もある。
この「土地値物件」という視点で見ると、今回の物件の真の魅力が浮かび上がる。具体的な土地値は下記のとおりだ。
【土地値の算出】
◆路線価で考えると…
227坪×70万円=1億5,890万円>1億5,790万円
◆実勢価格で考えると…
227坪×100万円=2億2,700万円>1億5,790万円
いかがだろうか。これであれば、ローリスク・ミドルリターンの投資対象として十分に成立する。
リニア新幹線効果で人口増?期待高まる「橋本」エリア
「土地値物件」の狙い目は、都下・神奈川・埼玉をはじめとした首都圏近郊の都市。今回「橋本」に着目した点はここにあった。さらに「橋本」で忘れてはいけない点が一つ。リニア新幹線停車駅の開設だ。
■リニア駅開設で期待高まる
時速500キロで「品川」〜「名古屋」を結ぶリニア中央新幹線。品川駅まで約10分、名古屋駅までは約30分、開設予定の新大阪駅までは約60分でアクセスできる。なお2027年の開業は事実上の延期になったものの、JR東海の金子慎社長は、「少しでも早い時期を目指し、各地の工事はペースダウンすることなく進める」と表明した。
期待に湧く相模原市では、「産業の活力とにぎわいがあふれる交流拠点」をコンセプトに、まちづくり計画が進められている。リニア駅開業の効果は「橋本」エリアにどれほどのインパクトを与えるのか? 今後の展開が期待される。
■「橋本」のリアルな住宅事情は
最後に、「橋本」の住宅事情を見てみよう。賃貸住宅の空き家率は神奈川県平均6.6%だが、緑区5.5%、中央区7.7%、南区6.6%となっている(総務省統計局 平成30年「住宅・土地統計調査」)。
また直近の中古マンションの取引から「橋本」駅周辺の不動産マーケットの状況を見てみると、平均取引価格は2,190万円、1㎡当たりの平均取引価格は41.3万円と、緑区平均の36.4万円を上回る(平成27年度「国勢調査」より)。取引されているマンションの種別は、ワンルームや1Kなどの単身者向けが15%程度にとどまる一方で、3DK以上の物件は50%を超える(国土交通省 「土地情報総合システム」より)。「橋本」周辺では、家族世帯向けの物件が豊富にラインナップされているようだ。
民間が主体となった再開発が進む街、「橋本」。今回、初心者投資家かめぞーは内覧直後に購入を決定した。今後の賃貸需要に期待されたい。
※本記事は幻冬舎ゴールドオンラインYouTube企画『実録!中年オヤジの体当たり投資 かめぞーが行く~土地値物件投資チャレンジ』を再編集したものです。動画の全貌はコチラ。
GGO編集部