1日に571組の夫婦が離婚する
2020年、突如、全世界を襲った新型コロナウイルス。そこで話題になったのが「コロナ離婚」。行動が制限されるなか、いつもであればそれほど顔を合わせることの少ない夫婦が一緒に過ごす時間が増えた結果、衝突が多くなり、そして離婚に至る……。新型コロナがもたらした、思わぬ悲劇です。
厚生労働省の「令和元年人口動態統計」によると、婚姻件数は59万9007に対し、離婚件数は20万8496件。1日に571組、1時間に23組、2~3分に1組の夫婦が別れを選んだということになります。
人口1000人に対する離婚率に注目してみると、全国平均は1.69。都道府県別に見ていくと、最も離婚率が低いのは「新潟県」で、離婚率は1.28。「富山県」1.29、「秋田県」1.33、「山形県」1.34、「石川県」1.36と続きます。一方で離婚率が最も高いのが「沖縄県」で2.52。新潟県の約二倍です。ワースト2は「福岡県」の1.94、ワースト3は「宮崎県」の1.92。「大阪府」「北海道」の1.89と続きます(図表1)。
分布を見ていくと、日本海側の地域は離婚件数が少なく、太平洋側の地域は離婚件数が多い傾向があります。太平洋側のエリアのほうが都市圏が多く、女性一人でも経済的に自立して生活していけるという地域性が深く関係していると推測されます。
そんな離婚。以前よりも離婚に対してネガティブな印象が低くなったことで、別れを選ぶ夫婦が増えているかといえばそうではありません。離婚件数は戦後、婚姻件数が増えていくのと連動して増加し、1971年に10万件を突破。その後、1996年には20万件を超えました。ピークは2002年の28万9826件。その後、多少の上下はあるものの、現在は減少傾向にあります。
世界的に日本は離婚率は高いのか、それとも低いのか?
残念ながら離婚を迎える夫婦ですが、最も離婚の危機が高いのは、結婚してからどれくらい経ってからなのでしょうか。
同じく厚生労働省の「令和元年人口動態統計」を見ていくと、離婚した夫婦の同居期間で最も多いのが「同居期間5~9年」。全体の19.6%を占めます。続いて「同居期間20年以上」で18.5%、「同居期間10~14年」で13.2%、「同居期間15~19年」が10.8%となっています。
積もり積もった不平不満が、夫婦仲の亀裂を決定的にさせるのでしょうか。一方で同居期間1年未満で離婚に至るケースも5.9%、1万2000組程度いますから、結婚して同居してみて初めて相手のことを知り……というケースも多いと推測されます。
結婚生活は、なかなか難しいようです。
また前出の通り、日本の離婚率は減少傾向ありますが、世界的に見るとどうなのでしょうか。国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集2020」で主要国の離婚率(最新年次)を見ると、「フランス」3.54、「ポルトガル」3.37、「デンマーク」2.60、「アメリカ合衆国」2.50、お隣の「韓国」は2.12。日本の近似値となるのが「ポーランド」1.65、「トルコ」1.60などで、欧米諸国で日本を下回るのは「イタリア」で1.51。世界的に見て、日本は「離婚率の低い国」にカテゴリーされます(図表2)。
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