10年に1回程度の割合で大規模修繕金も必要に
マンションの場合は、毎月の管理費や修繕積立金といったものがかかってきます。また、10年に1回程度の割合で、大規模修繕金なども必要になります。こうした大規模修繕のタイミングも重要になってきます。こうしたメンテナンス関連のコストを考えて、購入時に出口戦略を考えておくことも大切です。
たとえば、いわゆる「管理費」に該当するものを、マンションの場合に限った項目だけピックアップさせておきましよう。
●管理人人件費
●公租公課(共用部分の固定資産税など)
●共用設備のメンテナンス、ランニングコスト代(掃除代、電気代など)
●共用部分の火災保険料、損害保険料
●日常的にかかる補修費(共用部分の電灯取り替え代)
●管理組合の運営に要する費用
さらにこの他に、大規模修繕費などがかかってきます。要するに、任売物件を購入する場合には、
①不動産広告を隅々まできちんとチェックする
②不動産投資にかかる一連のコストを考えて「出口戦略」まで考えて投資する
③転売時のポイントは「譲渡所得税」「減価償却」「ローンの残債」の3つ
④修繕管理などのランニングコストも計算に入れて転売のタイミングを決める
ということになります。
管理費に関してチェックしておきたいポイントとは?
マンションの物件広告には必ず管理費などのコストも書いてあります。そういった管理費を事前にチェックすることが重要になってきます。主要な項目についてチェックしたい部分について解説しておきましょう。
●管理組合
通常は「あり」ですが、小規模のマンションなどの場合「なし」というケースもあります。そういう場合は、たとえば外壁などを塗り替える、といった大規模修繕費の積み立てを行っていないケースが多いため要注意です。管理組合の設置は、本来法律で義務付けられていますが、なしという場合は、その経緯なども確認しておきましょう。
●管理形式
大きく分けて「全部委託」と「自主管理」の2種類があります。安心できるのは全部委託ですが、その場合でも管理費とか修繕委託金が、他の物件などと比較して異常に高い、あるいは異常に安いといったことがないかチェックしましょう。問題は自主管理で、どんな管理体制になっているのか、きちんと確認しておくことです。
●管理会社
通常は、管理会社の名前が表記されていますから、ホームページなどでどの程度の規模の管理会社で、どんなサービス体制になっているのか、細かく表記されているかどうかチェックしましょう。ホームページもないような中小の管理会社の場合は、現地を見たときに、公共部分の掃除やメンテナンスは行き届いているのか、ごみなどが放置されたままになっていないかなど、チェックしておきましょう。
●管理費
物件によって大きく異なりますが、管理費が月額1万2000円前後のところが多いようです。その一方で5000円程度のところもあり、あまりに安いところは、やや不安です。仲介する不動産会社などに聞いてみることです。
●修繕積立金
月額の管理費よりも高い修繕積立金を設定しているところも少なくありません。その一方で、月額1000円というマンションもあります。月額1000円程度では、外壁の塗り替えとか公共部分の設備(水道管やガス管)などの取り換え工事では、その都度、実費を請求されるケースもありそうです。修繕積立金が、すでにどの程度プールされているのか、という点もチェックしておきたいものです。
●設備
たとえばルーフ付きバルコニー、駐車場といった設備がある場合、有料のケースがあります。こういった点でも要注意です。
管理費や修繕積立金といったランニングコストは、物件広告でかなりの部分が分かるわけですから、おおよその概要は把握できるはずです。ちなみに任意売却の場合は、こうした管理費や修繕積立金も滞納になっているケースがままあります。この部分もクリアになっているかどうか、確認しておく必要があります。