情報技術と金融を融合したFinTech(フィンテック)によって、資金を持つ人と資金を必要とする企業が直接結びつき、自らの資金の使い方を主体的に選択できるようになる「金融の民主化」が注目されています。この一形態である株式型クラウドファンディングを構築するうえで、法整備が不可欠だとされるスリランカの現状をお伝えします。

第一級の人材が集まって立ち上がるプロジェクト

スリランカでの株式型クラウドファンディングのプラットホームを目指し、Crowdislandを立ち上げたJeevan Gnanam氏とNathan Sivagananathan氏およびYork Street Partners社の3者は、スタートアップ企業への投資活動に伴うリスクについて深く理解をしている、プロジェクトに最適なメンバーである。

 

Gnanam氏は生まれもって企業家精神があり、スタートアップ企業やIT企業を含めて複数の企業を経営した経験を活かし、スリランカのIT産業を促進する公益団体SLASSCOM(Sri Lanka Association for Software and Services Companies)などを通じて若手企業家たちのメンター役を務めている。

 

スリランカの経済誌であるEchelon誌が選ぶ40歳以下の若手企業家トップ40の第一位に輝いた、MASホールディングスのCEOであるSivagananathan氏は、革新的な経営手法を用いることで有名だ。またYork Street Partners社は創業5年を迎えた投資銀行で、今業界内で注目を集めている企業だ。この三者が一体となって運営することから、Crowdislandの実現可能性は確立されたとも言える。

投資家自身が投資リスクを十分に理解することが不可欠

Crowdislandの運営者に対する信頼から、「Crowdisland上に掲載される企業に投資するのことは賢明な判断だと、経験が少ない投資家たちでも正しいを判断をくだせます」とCEOのRamanayake氏は話す。Crowdislandを通した投資では、通常の投資家よりも「実際のビジネスから、少しだけ距離を置く」ことが出来るのだ。

 

「投資家たちは自らのデュー・デリジェンスに責任を持っていないと言いたいわけではありませんよ」とRamanayake氏は付け加えた。「しかし、スタートアップ企業に対して、ある程度クレディビリティ(信頼性)が与えられます。このことは、スタートアップ企業への投資事情に精通していない投資家たちにはとても役立ちます」と同氏は説明する。

 

このロジックはCrowdislandのウェブサイトに掲載されている企業の成功を保証するものではもちろんない。スタートアップ企業が失敗しうることは当然であり、投資家たちは関連リスクを理解するべきである。また、そもそもCrowdislandは投資家たちとスタートアップ企業がお互いを見出しあうプラットフォームに過ぎず、金融アドバイザーではないのだ。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2016年4月に掲載した記事「THIS IS WHY CROWDISLAND CAN’T CROWDFUND」を、翻訳・編集したものです。

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