中国PMIは景気回復を再確認

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11月の購買担当者景気指数(PMI)は中国の景気回復を再確認する内容でした。7-9月期GDPで成長を支えた製造業、第3次産業では建設業とIT関連は引き続きPMIでも堅調で、新規輸出受注も底堅いことから当面は輸出も景気の下支え要因と見られます。中国の回復はアジアの他の国々にも波及する傾向があるだけに今後の動向が注目されます。

中国11月PMI:製造業、非製造業共に市場予想を上回り景気回復の維持を示唆

中国国家統計局が2020年11月30日に発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は52.1と市場予想の51.5、前月の51.4を上回りました(図表1参照)。項目別では生産が54.7、新規輸出受注が51.5、と堅調な一方、雇用は49.5でした。非製造業PMIは56.4と、市場予想(56.0)、前月(56.2)をこちらも上回りました。

 

12月1日に財新伝媒が発表した11月の中国製造業PMIは54.9と、市場予想(53.5)、前月(53.6)を上回りました。

 

月次、期間:2017年11月~2020年11月 出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表1]中国PMI(製造業と非製造業)と主な構成指数の推移 月次、期間:2017年11月~2020年11月
出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:11月PMI、農民工、コロナ感染、健康コード

11月のPMIは中国の景気回復を再確認する内容でした。7-9月期GDPで成長を支えた製造業、第3次産業では建設業とIT関連は引き続きPMIでも堅調で、新規輸出受注も底堅いことから当面は輸出も景気の下支え要因と見られます。中国の回復はアジアの他の国々にも波及する傾向があるだけに今後の動向が注目されます(図表2参照)。

 

月次、期間:2020年3月~2020年11月、景気拡大縮小の目安50で色分け  出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表2]アジアの主な国の製造業PMIの推移 月次、期間:2020年3月~2020年11月、景気拡大縮小の目安50で色分け
出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

 

まず、中国の強みを再確認します。新型コロナの影響で需要が高まったマスクや、リモートワーク向けのIT製品に中国の強みがあります。加えて4-6月期頃から成長が回復したのは農民工(農村からの出稼ぎ)が戻ってきたことで供給も整ったことが成長の条件であったと考えています。

 

中国の回復は、アジア経済(他には資源国)に貿易などを通じてプラス効果を生み出し、アジアのPMIも回復しています。アジアの年後半のコロナ感染を欧米などと比較すると抑制されている点は、中国、アジア双方にプラスと見られます。

 

中国がコロナ感染を早期に収束させたことが、恐らく最大のプラス要因です。リアルタイムデータで移動を確認してもコロナ前の水準に近づいています(図表3参照)。秋に北京などで発生したクラスター(局所的な感染)も早期に解消しました。中国のコロナ対応で注目されるのがスマートフォンアプリの「健康コード」です。感染リスクを緑、黄色(7日間隔離)、赤(2週間隔離)で知らせるものです。使用は任意ながら公共交通からショッピングまで「証明書(緑なら)」的な役割を果たしており、ほぼ全国民が使用しています。中国当局は様々な個人情報と連動させて感染拡大の抑制に役立てたようです。

 

日次、期間:2019年12月7日~2020年11月30日、7日移動平均 出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表3]中国の主な都市における地下鉄利用者の推移 日次、期間:2019年12月7日~2020年11月30日、7日移動平均
出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

 

中国経済に当面死角は見当たらないようです。20年のプラス成長、来年は8~9%程度の成長が見込まれています。ただ、あえて懸念を指摘するとすれば、短期的にはマスクなどコロナ関連の外需の減少が見込まれます。先に述べた(プライバシーの点で疑問も残る)健康コードはあくまで一つの例ですが、やはり中国の政治体制などには違いがあり、このことが将来的に、米中関係などに重い課題を残す可能性も考えられます。


 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国PMIは景気回復を再確認』を参照)。

 

(2020年12月2日)

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

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運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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