日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回、焦点をあてるのは「介護費」。県庁所在地別にその負担額をみていきます。

 

これはあくまでも公的の介護サービスの1人当たりの介護費。公的ではないサービスを受けているケースも多くみられます。そこで、実際に介護費が家計に対してどれほどの負担になっているのか、総務省の家計調査でみていきましょう。こちらでは47都道府県の県庁所在地ごとにみていきます。また年度によって調査数にバラつきがあるので、2015年から2019年の平均値を算出しました。

 

それによると、最も介護サービスの年間支出額が高かったのが「香川県高松市」で8,016円。「長野県長野市」7,049円、「山形県山形市」6,308円、「京都府京都市」6,267円、「青森県青森市」6,151円と続きます。

 

出所:総務省「家計調査」2019
[図表3]県庁所在地別「家計に占める介護サービス費」ベスト10 出所:総務省「家計調査」2019

 

一方で、最も介護サービスの年間支出額が小さいのが「愛媛県松山市」で1,429円。「和歌山県和歌山市」「福岡県福岡市」「宮城県仙台市」「熊本県熊本市」と続きます。

 

この傾向、高齢化率との相関係数は「0.11」なので、高齢者が多いから介護費用が高い、というわけではなさそうです。では高齢者の主な収入源である年金支給額との関連性はどうでしょうか。平均受給金額との相関係数は「0.01」。まったく相関関係は認められず、収入があるから介護サービスを受ける(受けられる)というわけでもなさそうです。

 

どうであれ、いずれ自分が介護を受ける立場になるでしょうし、介護をする側になる場合もあります。高齢者が高齢者を介護する老老介護も社会問題になっています。高齢化が進むなか、財政がひっ迫するなか、費用負担が今まで以上に増えるかどうか、気になるところですが、それどう介護をするか/されるか、も気になるところです。

 

 

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