コロナ感染再拡大を受けユーロ圏PMIは悪化したが

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ユーロ圏の景況感指数が悪化しました。新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、部分的ながら社会的距離政策が再導入されたため、サービス業を中心にセンチメントが悪化したことが背景です。ドイツのPMIが比較的堅調な一方、フランスのPMIが軟調なところに特色が見られます。ただ、今後の動向はコロナ次第ながら、年前半の対応とは異なる点に注目しています。

ユーロ圏総合PMI:11月のユーロ圏総合PMIはサービス業の不振を反映して下落

IHSマークイットが2020年11月23日に発表した11月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)は45.1と、市場予想(45.6)、前月(50.0)を下回りました(図表1参照)。内訳では、製造業は53.6と、前月(54.8)を下回るも、市場予想(53.2)は上回りました。一方、サービス業は41.3と、市場予想(42.0)、前月(46.9)を共に下回りました。同指数は50が景気拡大と縮小の境目の目安を示します。

 

同日に発表された米国の11月総合PMIは57.9と前月の56.3を上回りました(図表1参照)。

 

月次、期間:2017年11月~2020年11月(速報値) 出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表1]ユーロ圏のPMI指数とその構成、米国総合PMIの推移 月次、期間:2017年11月~2020年11月(速報値)
出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

どこに注目すべきか:ユーロ圏PMI、サービス業、ロックダウン

ユーロ圏の景況感指数が悪化しました。新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、部分的ながら社会的距離政策が再導入されたため、サービス業を中心にセンチメントが悪化したことが背景です。ドイツのPMIが比較的堅調な一方、フランスのPMIが軟調なところに特色が見られます。ただ、今後の動向はコロナ次第ながら、年前半の対応とは異なる点に注目しています。

 

まず、11月のユーロ圏PMIの特色を振り返ると、製造業は減速ながら比較的堅調な動きにとどまる一方で、サービス業は落ち込みました。サービス業のひとつである飲食業について欧州の主な国の予約状況をリアルタイムデータで見ると、11月に急速に落ち込んでいます(図表2参照)。そのため、製造業に強みを持つドイツの11月の総合PMIは前月(55.0)から減速するも、52.0と市場予想(50.5)を上回りましたが、フランスの総合PMIは39.9と市場予想(42.0)、前月(47.5)を下回りました。なお、製造業では底堅い動きを見せたドイツですが、サービス業については11月のサービス業PMIは46.2と、ほぼ市場予想(46.3)程度ながら、前月(49.5)を下回りました。

 

日次、期間:2020年2月23日~2020年11月23日、前年比 出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成
[図表2]欧州の主な国のレストラン予約の推移 日次、期間:2020年2月23日~2020年11月23日、前年比
出所:ブルームバーグのデータを使用してピクテ投信投資顧問作成

 

このような動きを受け、ユーロ圏は再びマイナス成長に戻るのではといった予想も見られます。ただ、年前半の状況とは違いがある点にも注意が必要です。例えば、ユーロ圏のコロナの感染は新規感染者数の水準は春に感染が拡大したときを上回っていますが、PMIの落ち込みは小幅です。

 

コロナへの対応にも違いが見られます。足元の都市封鎖(ロックダウン)はライト版ロックダウンなどと呼ばれレストランは閉鎖しても(これまでのところ)、学校や他の店舗は営業を続けるなどメリハリの効いた対策となっています。

 

また、この時期にロックダウンを導入することでクリスマスでの制限は回避されるとの思惑(希望)があるのかもしれません。実際、英国はクリスマス前の制限緩和を示唆しており、ドイツも時期に差はありますがクリスマス前に規制緩和される模様です。今週末のブラックフライデーで、クリスマス商戦が始まる米国と違い、欧州は一般に感謝祭があるわけではなく、いわゆる年末商戦はクリスマスに集中する傾向があります。その時期での厳格な制限が回避されるなら、という期待もありそうです。

 

年前半との一番の違いはワクチン開発の進展です。広範に広まるのは先としても、実用化が現実的となっています。ロックダウンという言葉だけで過去の成長の悪化を単純に当てはめるのではなく、足元の状況による調整が大切となりそうです。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『コロナ感染再拡大を受けユーロ圏PMIは悪化したが』を参照)。

 

(2020年11月24日)

 

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

 

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ピクテ投信投資顧問株式会社
運用・商品本部 投資戦略部 ストラテジスト 

日系証券会社のシステム開発部門を経て、外資系運用会社で債券運用、仕組債の組み入れと評価、オルタナティブ投資等を担当。運用経験通算15年超。ピクテでは、ストラテジストとして高度な分析と海外投資部門との連携による投資戦略情報に基づき、マクロ経済、金融市場を中心とした幅広い分野で情報提供を行っている。経済レポート「今日のヘッドライン」を執筆、日々配信中。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)

著者紹介

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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