10月は「MMF」から「債券」へ資金シフト
■10月の投信マネーは全体で+372億ドル(9月▲676億ドル)の流入超過となりました。「MMF」が▲377億ドル(同▲1,090億ドル)と流出超過額が大幅に縮小し、「債券」の流入超過額が+646億ドル(同+253億ドル)と拡大したことが主因です。その他の内訳は、「金」などを含む「オルタナ」が+22億ドル(同+1億ドル)、「バランス」が▲47億ドル(同▲21億ドル)でした。「株式」は+127億ドル(同+180億ドル)でした。
11月上旬は株式ファンドに大量の資金が流入
■11月に入ると投信マネーの流れに大きな変化が現れました。11日までで見ると、「株式」への流入が大幅に増加しています。「株式」の流入超過額は509億ドルに達しました。11月第2週は445億ドルの流入超で、これは2017年以降の週次ベースでは最大の流入超過額です。11月の資金流入の中心は先進国では「米国」で、343億ドルの流入超でした。また、新興国では「アジア(除く日本)」で42億ドルの流入超でした。
■セクター別では、引き続き「テクノロジー」や「ヘルスケア」への流入が堅調です。一方で、「エネルギー」は9月最終週以降、7週間連続で流入超となるなど、資金が流入するセクターに広がりが見え始めています。
リスク選好の動きが鮮明化
■11月上旬は、米国大統領選挙でバイデン氏が勝利したほか、米国大手製薬会社が新型コロナウイルスのワクチンの開発で大きく前進するなど、不透明要因がある程度低下しました。景気回復にはまだ時間がかかるものの、投資家のリスク選好が強まり始めています。足元で続く、米国株、新興国アジア株への資金流入やクレジット市場への流入が続くのか、注目されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『リスク選好が鮮明となった世界の「投信マネー」』を参照)。
(2020年11月13日)
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