次に「貯蓄」についてもみていきましょう。全都道府県平均は前年比100.2%と、2020年4~6月時点では全国的に貯蓄が増えているという状況です。そのなかで最も貯蓄額の増え方が大きいのが「鳥取県」で155.3%。「兵庫県」153.9%、「徳島県」142.8%、「富山県」139.7%、「秋田県」137.4%と続きます。「徳島県」は収入減でワースト2にラインクインしたのにも関わらず、貯蓄額の上げ幅では上位にランクイン。危機的状況下のなかでも、しっかりと貯蓄を増やしていくという、やりくり上手な一面が垣間見られます(図表4)。
一方、貯蓄額を減らした自治体は26。そのなかで最も貯蓄が減ったのが「長野県」で、前年比58.6%。「愛媛県」71.8%、「石川県」72.3%、「静岡県」72.5%、「長崎県」75.3%と続きます。「長野県」は年収が前年比95.3%で、確かに収入減と厳しい状況であることがうかがえますが、大きく貯蓄を減らした理由は読み取れません。もう少し長いスパンでの検証が必要です。
なお家計調査は県庁所在地の世帯を抽出している調査であり、地域の実情と一致していないことがあります。今回の結果は傾向の参考としてみてください。
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