市長の給与が最も高い「政令指令都市」は?
2020年、コロナ禍で何かとメディアでも取り上げられることが多かった都道府県知事。総務省「地方公共団体別給与等の比較」から、彼らがどれくらいの給与を得ているのかみてみたところ、最も給与が大きかったのが「神奈川県」で、最も給与が少なかったのが「東京都」という、意外な事実がわかりました(関連記事:『都道府県別「知事の給与」ランキング…「東京都」の意外な順位』)。
「東京都知事が最下位!?」と多くが感じるところですが、そこには小池百合子都知事が「身を切る改革の姿勢を示す」という選挙時の姿勢を実行し、自ら給与を半減する条例案を提出したというエピソードが潜んでいました。
都道府県には、さらに全国1741の市区町村があり、行政運営のトップである長がいます。彼らの給与も気になるところ。そこで同じく総務省「地方公共団体別給与等の比較」(平成31年)から、市区町村長の給与を紐解いていきましょう。
■政令指定都市
現在、日本には20の政令指定都市があります。そもそも政令指定都市とは、地方自治法に基づく大都市等に関する3つの特例制度で、1956年に創設されました。
第252条の19政令で指定する人口50万以上の市(以下「指定都市」という。)は、次に掲げる事務のうち都道府県が法律又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。
地方自治法第252条の19の第1項より抜粋
都市計画決定のほか、独自に児童相談所が設置できたり、教職員の任免ができたりと、県と同等の権限が認められています。ただ「二重行政」による行政の非効率が生じやすいという指摘もありました。
そこで生じたのが「大阪都構想」。結局、住民投票により否決され、政令指定都市としての大阪市は存続することになりました。ちなみに政令指定都市には「区」がありますが、東京23区のように、選挙で長や議員を選ぶのとは異なり、行政を円滑に勧めるための内部組織の位置づけです。
制度創設当初に指定されたのは、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市。その後、1963年に北九州市、1972年に札幌市、川崎市、福岡市、1980年に広島市、1989年に仙台市、1992年に千葉市が指定都市になります。「100万人以上」というのがひとつの目安でしたが、1999年に市町村合併特例法を施行し、自治体の統合を促すとともに、政令市の要件を70万人以上としました。その結果、新たに7市が政令市の仲間入りを果たします。
現在、最も人口規模が大きいのは「横浜市」で人口372万人。「大阪市」269万人、「名古屋市」229万人、「札幌市」195万人と続きます。
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