日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「コロナ禍、緊急事態宣言下の家計の状況」に焦点をあてていきます。

家計調査から見えてきた「コロナ太り」の実情

家計の状況を、総務省「家計調査」(二人以上世帯)から、先日発表された2020年4~6月期と、前年同時期と比較してみていきましょう。

 

まず消費支出の総額は、264,546円。前年同時期は292,973円で前年比90.3%。4~6月といえば緊急事態宣言下で、消費行動が制限されていたときで、このマイナスは当然の結果といえるでしょう。

 

消費項目のなかで減少が目立つもののひとつが「交通」。リモートワークが進み、外出が制限されたことで、交通機関使っての移動がなくなったことで、2019年6,382円に対し、2020年2,329円と6割ほど減少しました。

 

そして旅行なども含む「教育娯楽サービス」は2019年18,026円に対し2020年8,847円と5割ほど、交際費は2019年18,014円に対し2020年11,532円と3.5割ほど、減少しました。

 

外出に絡む消費が減少するなか、人々は何にお金を使っていたのかといえば「食べること」。2019年のエンゲル係数は25.3だったのに対し、2020年は28.0と、3ポイントも上昇しています。

 

「コロナ太り」というワードがよく聞かれましたが、消費の状況からも、「動くことなく、ただ食べるだけ」という、コロナ禍の人々のライフスタイルが垣間見られます。

47都道府県…緊急事態宣言下で貯蓄を増やした県は?

コロナ禍の緊急事態宣言下で、人々がいかに「コロナ太り」したのか、家計調査からもみえてきましたが、そもそもの家計の状況はどうだったのでしょうか。同じく「家計調査」から、都道府県別に収入や貯蓄の状況をみていきます。

 

まず「収入」の状況。全都道府県平均は、前年比105.2%と、2020年4~6月時点ではプラスを記録。そのなかで最も収入の上げ幅が大きいのが「岐阜県」で、前年比126.4%。「山形県」118.5%、「愛媛県」117.0%、「三重県」116.8%、「富山県」115.7%と続きます(図表3)

 

出所:総務省「家計調査」より作成
[図表3]都道府県別年収前年比上げ幅上位10 出所:総務省「家計調査」より作成

 

一方で収入減となったのは13の自治体。なかでも「大阪府」は87.6%と下げ幅がトップ。「徳島県」88.7%、「福井県」91.1%、「鹿児島県」91.5%、「福島県」92.0%と続きます。ほか「北海道」95.1%、「沖縄県」97.4%など、観光業が主力産業である地域のマイナスが目立ちます。

 

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