日本円で1300円程度で売られているエアリズムだが…

 

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現在フィリピンにある「ユニクロ」は、60店舗以上で、東南アジアで最も多く展開しています。

 

ファーストリテイリングは、ショッピングモールを手がける現地のSMリテール社と合弁会社を設立し、2012年にフィリピンにおける1号店を「SMモール・オブ・アジア」に出店しました。SMリテール社が手がけるモールには基本的にユニクロが出店していますが、グローバルシティなどにも路面店があったり、トランプタワーに隣接する「センチュリーモール」にも出店しています。

 

日本ではファストファッションの代表格として、高品質でリーズナブルな印象のあるユニクロですが、フィリピン人には高級なイメージです。

 

実際、どれくらいで商品が売られているかというと、たとえば夏場、多くの日本人も愛用しているだろう「エアリズム」は、フィリピンでは590ペソ。(10月1日現在のレートで考えると)、1300~1400円くらいです。日本では、990円くらいなので、少々高い印象です。またフィリピン人の感覚でいうと、590ペソというのは、日本人にとって5倍くらいの価格だとイメージしてみるといいでしょう。インナーイメージに5000円……結構な高級品に感じるでしょう。フィリピン人にとってユニクロは、そのような感覚です。

 

それでもフィリピンで店舗数が伸びているということは、まず品質が支持されているということです。そしてその支持の中心が富裕層、高所得者層だということです。

 

あと面白いところでは、フィリピンでもシーズンで商品が変わります。冬になると、お馴染みの「ヒートテック」や、コートなども売っていたりします。フィリピンは1年中常夏ですが、富裕層に限らず、出稼ぎで海外に行く人も多い*1ので、ニーズがあるのではないでしょうか。

 

*1フィリピンでは約1,000万人、国民の1割が海外に出稼ぎ労働をしており、2016年の送金額は約3兆円に迫る勢いです。フィリピンの公用語はフィリピノ語と英語とされ、Global English社によるビジネス英語ランキングでは、フィリピンは世界第1位に選ばれています。海外で活躍するフィリピン人が多いのは、コミュニケーションが容易であることがまず挙げらえます。 また優秀かつ安い人材を求めて、欧米の世界的企業で、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、なかでもIT企業を中心としたコールセンターの集積が進み、その規模はフィリピンGDPの約1割といわれています。

 

そんなユニクロを、日本では一部分に取り入れて、都心を歩いていて「ユニクロを着ているな」ということがわかる人はあまりいないと思いますが、フィリピンでは「あっユニクロだ」とわかる、つまりオシャレ着として使われています。

 

ちゃんとした場所に行く時にはユニクロ

 

そんな感覚がフィリピンではあるのではないでしょうか。

 

日本でいうユニクロのようなポジションには、地場の「ベンチ」という、低価格路線のファッションブランドがあります。あと、ファストファッションでは「ZARA」が強いです。

 

高層ビル建ち並ぶ、マカティ/PIXTA
高層ビル建ち並ぶ、マカティ/PIXTA
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