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「給与が上がらない実感は当然のこと」ということがわかりましたが、給与の分布をみてみると、少々違う世界がみえてきます。
先ほどと同様、国税庁による「民間給与実態統計調査」で、1年以上の勤続者に限った「給与階級別給与所得者数」をみていきます。まず対象となる1年以上の勤続者は、1989年に2494万人でしたが、2018年には3000万人目前の2945万人と、増加傾向にあります。
2018年、給与階級のボリュームゾーンは400万円以下で38.13%。500万円以下17.79%、600万円以下13.51%と続き、1000万円~2000万円が6.8%、さらに2000万円以上が0.9%。会社員100人集まっても、給与2000万円以上の人には出会えるか、出会えないか……そんな世界観です(図表2)。
給与階級別に、時系列でみていきます(図表3)。
階級ごとに上下はあるものの、どの階級でも人数は増えています。それぞれの階級で、1989年(平成元年)と2018年(平成30年)をピックアップしてみます。
500万円以下 451万人→524万人
600万円以下 339万人→397万人
700万円以下 217万人→270万人
800万円以下 137万人→190万人
900万円以下 83万人→129万人
1000万円以下 53万人→83万人
2000万円以下 119万人→200万人
2000万円以上 7.4万人→26.6万人
※左数字1989年、右数字2018年
これを増加率でみてみましょう。
500万円以下 116%
600万円以下 117%
700万円以下 124%
800万円以下 138%
900万円以下 155%
1000万円以下 156%
2000万円以下 168%
2000万円以上 359%
特に給与2000万円以上の階級で増加率が高いことがわかります。対象者の構成比率をみても明らか。給与2000万円以上は1%に満たないですが、その割合は30年で3倍になっています。
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