今回は、自社の価値を正当に評価できる資料を準備し、M&Aで少しでも高く売却する方法について見ていきます。※本連載は、起業支援NPO、金融コンサルティング・M&A・不動産・投資教育事業会社などを多数運営する、佐々木敦也氏の最新刊『中小ベンチャー企業経営者のための“超”入門M&A』(ジャムハウス)の中から一部を抜粋し、中小ベンチャー企業経営者のための「会社(事業)の売り方」をご紹介します。

買い手の懸念事項を売り手としても把握しておく

少し専門的になってくるが、オーナーが「少しでも高く売りたい」または「自社の価値を買い手に正当に認めてもらいたい」と考えるならば、それをアピールする下記の図表1のような具体的な準備が必要だ。

 

特に(6)(7)まで準備が出来ていると、買い手との交渉は格段にしやすくなる。これも少し余裕がある段階で実施しておきたい。

 

【図表1】

000
 
※KPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)業績評価のための指標。

企業実態の把握には各種定量・定性分析資料も必要

M&Aのプロセスで準備フェーズの最終局面で、会社定款・契約書等の必要確証資料とともに買い手側に提示する情報資料例(事業売却)が図表2である。

 

これにはさらに、基本合意書までの交渉フェーズにおいて、企業(事業)実態を把握してもらうために追加で各種定量・定性分析資料を開示していくことになる。譲渡交渉を有利に進めたいと考えるオーナーは早めに資料を揃えておくことが必要である。

 

【図表2 買い手側に提示する情報資料例

本連載は、2015年8月31日刊行の書籍『中小ベンチャー企業経営者のための“超”M&A』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

中小ベンチャー企業経営者のための“超”入門M&A

中小ベンチャー企業経営者のための“超”入門M&A

佐々木 敦也

ジャムハウス

日本の中小ベンチャー企業がM&Aをどのように活用できるか、またすべきか、という視点に重きをおいてまとめた入門書。 元M&Aアドバイザーが客観的・中立的な視点で、大企業でない中小ベンチャー企業のM&A市場を概観し、M&Aの…

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