好調だったのは金融業と製造業
コロンボ証券市場に上場しているすべての企業の平均増益率は、2015年12月までの2年間で20%であった。その中でも金融業は増益率58%、製造業は31%と好調さを示している。
上場企業全体の利益の内訳から見ると、銀行・保険などの金融サービス部門は2013年には全体の31%を占めていたのが2015年では41%に、製造業は2013年が7%だったのが2015年には10%となっており、それぞれ市場における存在感を増している。
個別に見ていくと、金融セクター大手のスリランカ商業銀行は、増益率12%にとどまったものの、市場全体での割合は6%を維持。スリランカ・オリックス・リーシングは2年間で241%の高い増益で、市場全体での割合は2%となっている。また小規模な金融機関48社の合計では85%の増益で、市場全体に対する割合は2013年の9%から15%に増加した。
化学・医薬セクターでは152%という高い増益率で高成長の分野であることを示しているが、市場全体に対する利益の割合は1%にとどまっており、市場規模自体はまだ小さいと言える。また食品セクターと自動車輸入セクターも力強い成長を示していることがわかる。
不調の建設・エネルギー・農業分野と投資信託
建設やエネルギーの各分野は、それぞれの最大手の業績が悪かったことが、業界全体の数字に悪影響を与えた。建設業では市場全体の利益のうち2%のシェア占めていたのが、2015年では1%に落ち、増益率も40%のマイナスだった。建設業界大手のアクセス・エンジニアリングは、増益率が10%のマイナスにとどまったものの、その他2社の合計が540%の大幅な減益だった。
エネルギー業界全体は65%の減益で、市場全体の利益に対する割合は2013年の5%から2015年は1%に減少した。特にスリランカ・インディアン石油会社の損失が大きく響いたといえる。投資信託でも、スリランカ・センチュリー・インベストメントが、2013年の3,400万ルピーの損失を、2015年には18億ルピーの損失に拡大させ、その他8つの投資信託の利益を相殺した形になっている。
ホテル・セクターと通信分野も減益となっており、大規模農業では赤字を出している。ホテル業界は市場全体の利益に対して5%を稼いでいたのが3%に縮小し、大規模農業は、30億ルピーの黒字から10億ルピーの赤字に転落した。