ピーク時で比較すると大卒と高卒で20万円ほどの差。初任給で4万円の差だったのが、会社員人生の中で、その差は5倍になっていくのです。また高卒の新規学卒者が大卒の新規学卒者の年齢に達したときは、大企業で20万5,500円。大卒の新規学卒者で23万400円。学歴の違いで同じ20代前半でも、給与にはすでに3万円の差がついているわけです。
さらに偏差値の高い大学のほうが大企業、名門企業への就職が多くなることは誰もが知るところ。そこで大企業、中企業、小企業で賃金カーブを比較すると、大企業と中企業では20代前半で4,000円ほどの差が徐々に拡大していき、ピークの50~54歳では8万6,500円の差になります。大企業と小企業であれば、20代前半で1万4,000円だった差が、50代前半には16万1,400円もの差になります(図表2)。
もちろん、給与が高いことがいいことなのか、幸せなのか、といえばそうではありません。高卒、さらには中卒でも会社経営者などで活躍している人もいますし、資産1億円以上の富裕層もいるでしょう。しかしそれはかなりのレアケース。誰もがわかりやすい尺度である、労働の対価としての「賃金」で比較すれば、学歴格差は明白で、時系列でみても、決して縮まる気配などありません。
能力給が一般的になり、年功序列で賃金カーブを描く社会はもはや時代錯誤といわれていますが、それと学歴格差の解消はイコールではありません。「学歴なんて関係ない」。そのような言葉を称賛されるのは、なによりも学歴格差が根深い証拠だといえるでしょう。
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