(4)【散財をかける(散財をおかけする)】
意味:いろいろなことで金銭を多く費やすこと
〇 とんだ散財をおかけしました。
× とんだご負担をおかけしました。
相手が主体的にお金をかけたかどうか
◯の例は、「何かよくしてもらった」時に使う表現です。例えば、食事をごちそうになって相手に感謝の気持ちを伝える時に使うとよいでしょう。×の例は、相手が望んで金銭を負担したかどうかまでは伝わりません。
(5)【虚虚実実】
意味:互いに策略の全てを出して、全力で戦うこと。または、嘘と真実を織り交ぜながら、互いに腹の内を探り合うこと
〇 虚虚実実の駆け引きが行われている。
× 泥仕合の駆け引きが行われている。
戦略的に戦っていることが伝わるかどうか
◯の「虚虚実実」は、お互いがあの手この手で戦っていることを表現する言葉で、相手の細かいところまで把握して真意を見抜き、力を尽くして競い合っているようなイメージです。一方、×「泥仕合」は、総力戦・全力を尽くして戦うという意味が伝わらない、何でもありで行っている意味です。
意味:ぱっとしない、冴えない様子。調子がよくない感じ
〇 あの俳優さんこの頃、精彩を欠いているなぁ。
× あの俳優さんこの頃、イケていないなぁ。
オーラのような輝きを失ったことが伝わるかどうか
◯の例は、特に「人から見られる」「注目される」立場の人が、オーラのようなものがなくなってきている場合に使います。「精彩」は「その人の輝き」を意味しています。一方、×の例は、冴えない様子を伝える表現としては漠然としています。
安田 正
株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役
早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授