このような資産状況の高齢者、生活に対してどのように感じているのでしょうか。
内閣府が2019年に行った「高齢者の経済生活に関する調査」では、「家計に心配がない」と回答したのが、「まったく心配ない」「それほど心配ない」を合わせて74.1%。3/4は、おおむね心配なく暮らしていると答えています。また性別、年代別にみていくと、「心配なく暮らしている」の割合は女性の80歳以上で81.1%と最も高くなっています。
このようにみていくと、生活に心配をいだいている高齢者は少数派で、大多数が心配なく暮らしていけているという現状がみえてきました。
このような実態を知り、「2,000万円なんて大げさ」と安心するか、それともいっそう不安になるかは人それぞれ。確かに現状でも高齢者の1/4は生活に心配を抱えているわけですし、今後、公的年金に対する不安は増すばかり。自身が「心配ない」とする3/4に入るか、それとも「心配だ」とする1/4に入るか、当の本人でもわかりません。
ただひとついえるのは、「備えあれば憂いなし」、何も行動しないこと自体がリスクだということではないでしょうか。