広告の裏を読んで業者の良し悪しを見抜く
マイホームを意識し始めるきっかけとして、週末に投函されるチラシなどの「広告」があります。住宅街に住んでいる人であれば、毎週のように投函されている地域もあるでしょう。チラシには主に、投函型と折り込み型があります。
投函型のチラシとは、不動産業者が自らポストに投函しているか、あるいは業者に依頼して各家庭に投函しているものです。一方、折り込み型の広告とは、いわゆる「新聞折込」です。それらのチラシによって、購買意欲を促進させているのです。
試しに、投函されているチラシを見てみてください。実は、いろいろな情報が掲載されているので、見ているだけで面白いものなのです。特に住宅情報に関しては、チラシからさまざまなことが分かります。
例えば、その地域における土地や建物の相場。複数のチラシを見比べてみると、その地域の相場がなんとなく見えてきます。相場さえ把握できれば、実際に購入する際に、一つの判断基準とすることができるでしょう。
あとは、どのような物件が売りに出されているのかということにも、注目しておきたいところです。一戸建てが多いのか、それともマンションタイプが多いのか。地方で駅から遠いところであれば、やはり一戸建てが多いはずです。
そのように、チラシをはじめとする広告に着目してみると、マイホームを購入する際の参考になります。まずは、その地域における住宅事情を知るために、定期的にチェックしてみてください。実に、いろいろな広告があることに気づくでしょう。
こんなチラシを発行している不動産業者には注意
▪だめなチラシの特徴 ①ざっくりとした情報
ただし、チラシの中には注意したほうがいいものもあります。「このような特徴があるチラシを発行している不動産業者には注意するべき」という視点から、いくつかの注意点について紹介しましょう。
まずは、「ざっくりとした情報だけを掲載している」場合です。ざっくりとした情報とは、表面的な情報しか載せていない、ということです。表面的な情報だけなので、深い部分までは分かりません。情報があっさりしているのです。
もちろん、チラシのスペースは限られているので、すべての情報を載せることはできません。そのため限定的な情報しか記載しかできないのも事実です。ただ、それでも、あまりにも省略された情報には注意したほうがいいでしょう。
必要最小限の情報としては、物件の場所や価格、大きさ(広さ、間取り)をはじめとして、図面や外観などもあると親切です。少なくとも、価格と一言だけ、といった限られた情報をたくさん掲載しているものは、疑ってかかりましょう。チラシの情報が少ないということは、不動産会社の調査が足りていないということの表れでもあります。
あまりにも情報を省略している場合には、法律違反に該当する可能性もあります。かなりグレーな対応をしている業者もあるので、チラシへの掲載方針から、どの業者に依頼するのがいいのかを検討するのも一つの方法です。
このようにチラシには、業者の姿勢が表れます。たかがチラシと思われるかもしれませんが、そのチラシでも細部までじっくり観察してみるといろいろなことが分かります。ざっくりした情報しか載せていないということは、ざっくりと対応する業者なのかもしれません。
▪だめなチラシの特徴 ②字が小さ過ぎる&掲載数が多過ぎる
その他の特徴として、「字が小さ過ぎる」というのも怪しいです。なぜ字を小さくしているのかは定かではありませんが、「掲載スペースを稼ぎたい」「法律には抵触したくない」などの理由が考えられます。
しかし、チラシを手にしたお客さんから見たらどうでしょうか。字が小さいということは、それだけで内容が分かりにくくなってしまいます。高齢者など、視力が低下している方はなおさらです。ホスピタリティーという点からも、優しくないのです。
少ない予算で一つでも多くの物件情報を掲載したいと思うのは、業者として分からなくはありません。しかし、見てもらわなければ意味がないのです。スペースのことだけ考えるのではなく、最低限の字の大きさは意識してもらいたいものです。
掲載数ということでいえば、「あまりにも掲載数が多過ぎる」業者というのもどうでしょうか。それだけ多くの物件を紹介することができるというのは分かりますが、最近ではインターネットでも情報を提供できますし、載せ過ぎるのは考えものです。
チラシはそのときの情報しか載せられないため、問い合わせてみたら「その物件はすでに売れてしまいました」と言われる可能性もあります。物件数が多いということは、それだけすでにない物件が含まれている可能性があるのです。注意して見るようにしましょう。
チラシに掲載されている表面的な情報だけでなく、ぜひ、その裏側にある業者の考えにも思いを巡らせてみてください。大きな決断をする際に、本当に任せていい業者なのかを判断する、一つの指標になるかもしれません。