離婚する夫婦が忘れてはならないことがあります。それは実の親子である以上、たとえ疎遠になったとしても、子どもに相続権が残るということです。しかし、それ以前に子どもにとって「両親の離婚」は一大事です。必要以上にショックを与えてしまわないよう、 注意する必要があります。今回は世田谷用賀法律事務所の代表者、弁護士の水谷江利氏が「子どもへの離婚の伝え方」について解説します。

離婚について、子どもにわかる言葉で説明するべき理由

離婚の話し合いの渦中にいると、自分たちのことで精一杯になってしまい、子どものケアどころではなくなってしまうかもしれません。

 

しかし、子どもにとっては家族のことなのに置いてけぼりになり、知らないところで話が進んで、急に家族が別々になってしまった…。その結果だけが突然降りかかってくると「教えてくれなかったのは、僕がいい子じゃないから…」「離婚したのは私のせいだ」と、自分のことを責めてしまうそうです。

 

我が子に自分を責めさせないために (画像はイメージです/PIXTA)
我が子に自分を責めさせないために
(画像はイメージです/PIXTA)

 

大人にとってはいいにくいことかもしれませんが、子どもたちにとっては、どんなに些細なことでも、年齢がいくら小さくても、わかる言葉で「説明して欲しい」という思いがあるようです。

 

説明の仕方はその子の年齢や性別、性格や精神年齢にもよりますが、これまでの経験上でお話しさせていただきます。

年齢別、子どもへの「離婚」の伝え方

・未就学児の場合

まず、未就学児は言葉を選びながら、わかるように説明してあげることが大切です。「離婚」「浮気」など強いキーワードだけがインプットされてしまうと、本質的なことを理解できないまま、単語だけが残ってしまいます。子どもがわかる言葉で、丁寧に、ゆっくり時間をかけて向き合うことが大事です。 

 

▪️小学生の場合

小学生以上のお子さんの場合、学年にもよりますが、精神年齢の高い女の子の場合は、包み隠さず話していいと思います。(お母さんの伴侶みたいな感じで並走している子もよくいますので。)

 

一方、男の子の場合はいくつになっても消化不良になりがちで、「嫌なものは嫌」と受け入れられず、荒れてしまう時期があるかもしれません。それでも説明する必要はありますので、「事情があって一緒にいられなくなったけど、いつまであなたのパパとママだよ」「たとえ一緒に生活していなくても、あなたのことは愛しているわ」と、優しく説明するのが良いと思います。それぞれの親が気丈であれば、次第に受け入れ、落ち着くはずです。

 

また、親が感情的になり、メソメソウジウジしてしまうと、子ども自身が自分の感情を出せず塞いでしまうことになるので、気をつけましょう。

 

次ページ子どもが中学生以上なら…

本連載は、「世田谷用賀法律事務所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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