運動後に、自分の肩こりを自覚する人は少なくありません。しかし、熊本市民から愛される整形外科の院長、片岡泰文氏は書籍『治療の痛みは喜びの涙 ある整形外科医の言いたい放題』(幻冬舎MC)にて、運動後に肩を揉んだり、叩いたりすることの危険性について言及しています。

 

「スッ」と立ち上がることができる元気な若者ならいいが、年寄りは何かにしがみつきながら立つ。この場合、人間は手に力を入れると足腰の力が抜けるから、さらに手に力を入れないと立てない状態になっているということだ。

 

安全に立ち上がる方法はある。脚を「ガバッ」と開いて蹲踞の姿勢で立つことだ。年寄りでもゆっくり立てる。要は、足が前に出てしまうからダメなのだ。椅子も体の下に足が入る、よく食堂にあるような椅子が一番いい。足を引っ込めることができるので、重心移動がなく上に向かえる。ほとんど歩けないような年寄りでもスッと立てるし、その状態だと転倒もしない。

 

よく手を膝に乗せて「よいしょ!」と立ち上がる人がいるが、そうすると、手に力が入った分、腰の力が抜けてガクッとなって転倒してしまう。

横向き寝・うつ伏せ寝は危険!?腰痛を回避するには…

腰痛も一緒だ。どうしても横向き寝・うつ伏せ寝というやつがいかん。仰向けに寝ることをお勧めする。仰向けで寝ると、いわゆる「生理的S」が減る。人を横から見たときに、耳の穴から肩の中心、股関節、くるぶしが一直線になる正しい姿勢に近くなり、腰痛が出にくい状態をつくることになる。

 

腰のS(歪曲)が取れると、傾いて向いた状態の首が起きる。それで肩こりも一緒に取れる。

寝返りが多い人は要注意

ギックリ腰は、普通の生活を送っていて突然になるというものではない。

 

姿勢を歪める習慣や慣れなどの蓄積に応じて起きる。体からすれば、予定通りの行動だ。横向き寝をするということは、例えば、右側を下にして横になる人は、左腰が悪い。横を向くことにより、悪い意味で傾いて安定している状態をつくっている。そのままの状態を続けていると、右の方に左をかばうがゆえのストレスがたまって痛みが出る。さらに続けると、今度は押し戻しが始まって腰骨あたりがグラグラと揺らぎ、そんなときに荷物を取ろうとし
て屈んだりすると、腰が「バクッ」と動く。

 

寝違えも同じで、寝相が悪くなったときに引き起こされる。特に、寝違えは低い枕を使っている人に多いといえる。低い枕で横向き寝をしているときに寝返りをすると、首に過大な回旋 が起こり、一気に痛みがくる。寝違いやギックリ腰というのは、ある日突然に起こる病気じゃない。予定通りに起きているのだ。

 

一般的に、寝返りが多くなったときが危ない!

 

 

※本記事は連載『治療の痛みは喜びの涙 ある整形外科医の言いたい放題』を再構成したものです。

 

片岡 泰文

片岡整形外科院長

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    片岡 泰文

    幻冬舎メディアコンサルティング

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