例えば、他人の悪い面ばかりが気になり、それがストレスです、という人はいませんか。
人は、ひとりひとり考え方も、物事の受け取り方も、違います。それぞれの人が、考えたり行動したりしていることは、その人自身にとっては正解なので、それを他人が変えることは、容易ではありません。
多くの人が対人関係に関する悩みを抱えるのは、各人の「正解がみんな違っていて当然」だという視点を見失っているからです。
解決策は、気に入らない他人のことをとやかく言う前に、まずは、自分の考え方や受け止め方を変えることで、対人関係の悩みから解放された未来を築きましょう。
最後に、とても大切なことを伝えたいと思います。
あなたは、あなた自身のことを、客観的に見つめる機会を持っていますか。ある学生からの相談でした。
「Aさんは、いつも明るくまわりの人と接している。自分はあんな風に振る舞えないので、一緒にいると疲れます」
あらまぁ、友人の良い面をポジティブに捉えられないことがあるのか、人間関係は本当に難しいと、考えさせられました。と同時に、そうか、だとすると、私も誰かのストレッサー(ストレスの原因)になっている可能性が浮上してきました。
明るくておしゃべりのどこが悪い、と、一瞬思ったのですが、その思い込みが相手にとってはストレスの原因なのです。何度も言いますが、あなたの正解と、相手の正解は異なっていて当然、なのです。どうか、あなた自身が、「誰かのストレッサー」になってはいないだろうか、という視点を、常に忘れないで欲しいと思います。
※本記事は連載『Over Thirty クライシス』を再構成したものです。
三野 節子
健康心理士