ほとんどの人が、「有害」「悪者」というイメージを持っているストレス。健康心理士である三野節子氏は書籍『Over Thirty クライシス』(幻冬舎MC)にて、ストレスの意外な原因について言及している。

 

同じストレスであっても、あなた次第で、そのストレスを「悪者」にも、あなたの「味方」にもできる方法がある、ということを、ぜひ知っておいて欲しいと思います。それこそが、ストレスが持っているマジックです。実は、そのマジックの源は、あなたの心の中に潜んでいます。

 

ここまで読んで、言っている意味がさっぱり分かりません、という方、焦らないで下さい。まず、「ストレスは悪いものだ」という思い込みによって、ストレスを「悪者」にし
てしまう、ネガティブ・マジックについて、私の経験を踏まえてお話ししましょう。

「沖縄時間」が教えてくれたこと

店先の長蛇の列、銀行ATMの順番待ち、人との待ち合わせから、子育てに至るまで、日常生活の中で経験する些細な出来事の中には、「待つ」というストレスはたくさんあります。先日、私が、電車に乗るために慌てて駅に走り込むと、車両点検のため、15分も電車が遅れていました。

 

えー、走ってきたのに、と、少しいらつきました。その日は特に、人と約束があったわけ
でもないし、乗り継ぎを急いでいたわけでもありませんでした。息を整えて電車に乗るには、ちょうど良かったかも知れません。

 

日本の電車が、正確に運行されることに慣れっこになってしまっている私たちは、いつの間にか、わずか15分の遅延に苛立ちを感じるようになっています。もちろん、いくら待っても、イライラはしませんという方もいらっしゃることでしょう。見習いたいものです。

 

今回の件を冷静に考えてみたら、ある時は、発車時刻ギリギリに駅に走り込んだところ、電車の運行が遅れていたおかげで1本前の電車に乗れた、という経験をしたことがあるはずです。そんな恩恵は、すっかり忘れて、遅延時だけはイライラしてしまう、我ながら勝手なものだと思いました。

 

時間の捉え方は、実に面白いもので、以前、友人に聞いた話ですが、沖縄には「沖縄時間」というのがあるそうで、沖縄人の時間感覚に驚かされたことがあります。宴会など約束の時間があっても1時間の遅刻は当たり前、何の連絡もしない、宴会の幹事ですら、定刻にはきていないことがあるそうです。

 

さらに強者は、開始時間になって、ようやく外出の準備を始めるというのですが、沖縄の方、本当ですか。

 

いずれにしても、遅れて行ってもあっけらかんとしている遅刻人と、それを当たり前とばかりに受け入れる側と、沖縄人のおおらかさが垣間見えるようで、微笑ましくも感じました。これが常識なら、沖縄の人は「待つ」というストレスを感じずにすむでしょうね。

 

先日の電車遅延に、少しイラッとした私ですが、ふと、こんな話を思い出し、これからは、たかが15分くらい、電車だって遅れることはあると自分に言い聞かせて、イライラせずに、次の電車を待とうと思いました。

 

※本記事は連載『Over Thirty クライシス』を再構成したものです。

 

 

三野 節子

健康心理士

 

Over Thirty クライシス 30代のストレスマネジメント

Over Thirty クライシス 30代のストレスマネジメント

三野 節子

幻冬舎メディアコンサルティング

身体だけではなく心の健康の重要性も叫ばれる現代社会。日々ストレスフルな環境の中、人生の転換期を迎える「30代サラリーマン」はどのようにして課題と向き合い、歩みを進めていけばいいのか。元大学教員・臨床心理学博士であ…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録