PayPayか、楽天ペイか…コード決済ユーザー満足度第1位は?

J.D. パワー「2020年前期QR コード・バーコード決済サービス顧客満足度調査ランキング」より

PayPayか、楽天ペイか…コード決済ユーザー満足度第1位は?

米国を本拠と国際的なマーケティングリサーチカンパニー、J.D. パワー(ジェー・ディー・パワー)による顧客満足度調査から、今回は「QR コード・バーコード決済サービス」について見ていきます。

連覇達成!第1位は「PayPay」

J.D.パワー2020年前期QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度を発表。No.1は下記の通り。


第1位:PayPay
2回連続の1位。「キャンペーン/ポイントサービス」「利用できる店舗・ウェブサイト」で最高評価。

 

第2位:au PAY
「決済手続き/管理」「セキュリティ/不正利用防止対策」で最高評価。

 

第3位:楽天ペイ
「アプリのアカウント設定」で最高評価。

 

 

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利用シーン、広がる
利用シーン、広がる

利用頻度が増え、利用ブランドの固定化が進む

第2回目となる今回の調査では、半年前に発表した第1回調査からQR・バーコード決済サービスの利用実態に幾つかの変化が見られた。利用頻度については「ほぼ毎日1回以上」または「2~3日に1回程度」利用しているユーザーの割合が前回の25%から36%に増加しており、QR・バーコード決済サービスが日常生活において定着しつつあることが確認できる。

 

次に、複数ブランドのサービスを利用しているユーザーに使い分けの実態を聞いたところ、「キャンペーンなどでお得になるQR・バーコード決済サービスを都度選んで決済している」ユーザーが前回の67%から50%に減少し、「主に利用しているQR・バーコード決済サービスでなるべく決済している」ユーザーは前回の33%から50%まで増加した。利用ブランドの固定化が進み、以前に比べキャンペーン効果が表れにくい状況に変化してきているものと考えられる。

 

なお、利用できる店舗・ウェブサイトが「豊富である」というユーザーは前回の24%から35%に増えたが、まだ半数にも達していない。またブランド間の差も大きく、「豊富である」割合がトップとボトムのブランドでは倍以上の開きがある。メインとして選ばれるブランドとなるためには、利便性の根幹である利用店舗・ウェブサイトの拡大が継続的な課題であると言える。

今後の利用意向は大きく増加、増額意向の増勢は限定的

今後の利用意向について「今後も続けて利用したい」ユーザーの割合は、「非常にそう思う」が44%を占め、前回の34%から10pt増えている。一方で「利用金額を増やしていきたい」ユーザーの割合については「非常にそう思う」は13%にすぎず、前回の11%から微増にとどまっている。積極的なキャンペーンを展開する動きもみられる中、「非常にそう思う」と「ややそう思う」を合わせると94%と、大半のユーザーが継続した利用意向を示しているが、増額意向の増勢は低水準にとどまっていることが確認された。

 

QR・バーコード決済サービス事業の収益化のためには、顧客数拡大とともに利用金額を増やしていくことが大きな課題であり、利便性の拡大やポイント還元によるメリットの訴求などを背景に、現金からのシフトやクレジットカードなど他のキャッシュレス決済からのシフトをいかに進めていくかが重要なポイントになるものと思われる。

 

【総評】
QR・バーコード決済サービスについての過去半年間は、消費増税に伴うポイント還元や相次ぐ大規模キャンペーンなどマーケットの急速な拡大が見られた一方、資金力で劣る独立系事業者などは還元競争と消費者の認知度向上策に苦戦を強いられて業界再編過に巻き込まれていった激動の期間であった。足許では消費者にサービスに慣れてもらうことはできているものの、今後の課題は利用金額の増加や他のサービスとの連携による決済以外の収益源の獲得により、いかに収益化を実現するかにあり、顧客満足度の向上と収益基盤の強化を両立させることが中長期的に大きな課題であると言える。

(J.D.パワーグローバル・ビジネス・インテリジェンス部門 常務執行役員 梅澤希一)

 

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