豪ドルは大幅反発
1豪ドル=75円台まで回復
■豪ドルの対円相場は、新型コロナの感染拡大によるグローバル景気減速を受け、2月後半以降大幅に下落し、終値では3月18日には1豪ドル=62円台の直近安値を付けました。その後、各国・地域の積極的な金融・財政政策や経済活動再開の動きを背景に反発し、足元では75円台まで回復しています。
■豪州は貿易などを通じて中国経済とのつながりが太くなっていますが、中国の新型コロナ感染の落ち着きや景気回復も、豪ドルの買い材料となっています。
豪州中銀は政策金利据え置き
量的緩和を再開
■4日、豪州準備銀行(RBA)は金融政策決定会合で、政策金利のキャッシュレート及び3年国債の利回り目標を0.25%に据え置きました。据え置きは市場の予想通りで、足元の豪ドルは小動きで推移しています。
■また、5月7日以降見送っていた国債購入を「明日(5日)購入する」と表明し、量的緩和を再開する方針を示しました。
■声明では、豪州の景気後退は「以前の予想ほどは深刻でない」としつつも、ビクトリア州における新型コロナの感染再拡大を受け、「見通しは非常に不透明で、経済の回復はウイルスの封じ込めに依存する」としました。
豪ドルは新型コロナの状況を見極めながらの展開
■世界最長の経済成長を続けてきた豪州経済は新型コロナの影響を受け、1-3月期前期比▲0.3%に続き、4-6月期も大幅なマイナス成長に落ち込むことから、29年ぶりに景気後退に入ることが見込まれています。ここまで上昇してきた豪ドルですが、今後は新型コロナ感染第2波の状況を睨みつつ、景気回復や経常収支の改善を反映する形で緩やかながら堅調な展開を想定します。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪ドル相場は大幅に反発(2020年8月)』を参照)。
(2020年8月5日)
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