7月のSENSEX指数は上昇基調続く
■7月のインド株式市場は、前月からのリスクオン(選好)相場が継続し、堅調な展開となりました。月初より、中国の景気回復や株式市場への資金流入期待を背景に中国株式相場が大きく上昇したことを受けて、投資家心理が強気に傾き、インドを含めアジアの株式市場は強含みました。代表的な株価指数のSENSEX指数は、前月末の34,915ポイントから上昇基調となり、23日には企業業績が好感されて38,140ポイントで引け、約4ヵ月半ぶりの高値を付けました。インドでは新型コロナウイルスの新規感染者が急拡大していますが、追加経済政策や景気回復への期待が投資家心理を支えています。
インドは感染拡大に拍車
■世界保健機関(WHO)によれば、インドの新型コロナの感染者は累計143万人となり(7月27日時点)、米国、ブラジルに次いで世界で3番目の感染者数に拡大しています。インドは7月末まで都市封鎖を続ける予定ですが、6月上旬から一部の地域で経済活動を再開し始めたことで、直近1日の新規感染者数が約5万人となるなど、感染拡大に拍車がかかっています。
新型コロナの感染拡大で上値の重い展開
■インド株式市場は、経済活動再開への期待などからリスクオン(選好)相場が続き、足元では、今年1月に付けた過去最高値から約10%安の水準まで戻しています。ただし、新型コロナの感染拡大に歯止めがかからず、景気の不透明感が強い状況にあるため、今後は上値が重い展開が見込まれます。一方、インド準備銀行による追加利下げ期待や潤沢な流動性は引き続き相場を下支えしそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株式市場は上昇続く(2020年7月)』を参照)。
(2020年7月29日)
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2020年6月22日 インド株式市場は上昇(2020年6月)