一例としては、「従業員から紹介された候補者は、よほどのことがない限り書類選考合格とし、全員に対して面接を実施する」という企業もあります。
なお、リファラル経由の候補者には、特に選考状況に注意し、放置・連絡モレなどがないように確認しましょう(リファラル経由に限った話ではありませんが)。リファラルに関わってくれた従業員が損するようなことはあってはなりません。
⑦求人案件への理解を深める
リファラル採用は通常の選考よりも合格率が高くなりますが、従業員が関与している以上、無用な不合格を生み出さないようにしたいものです。そのためには、従業員に「募集ポジション」の理解を深めてもらうことが極めて重要です。
具体的には、求人画面のURLを共有するだけでなく、「実はこういう人もターゲットになりうるという例」「一見合格しそうだけど実は不合格になりやすいパターン」「ターゲット人材が多くいる企業名」といった、社外には公開していない内部だからこそ伝えられる限定情報などを共有しておくといいでしょう。
そして、最後に大事なことをお伝えします。ここまでリファラル採用を成功させる方法を紹介してきましたが、一番大事なのは従業員が知人を誘いたくなるような会社をつくることにほかなりません。
どんなに制度を整えたところで、従業員から「こんな会社は知人に勧められない」と思われていては意味がありません。たとえ従業員紹介制度がなくても「知人を誘いたい」と従業員に思ってもらえるよう、採用担当者は人事の一員として、魅力的な職場づくりに邁進していきましょう。
青田 努
LINE株式会社 People Partner室 People Experience Designer
※本連載では、書籍『採用に強い会社は何をしているか 52の事例から読み解く採用の原理原則』より一部を抜粋し、採用活動における事例と原則原理を紹介・解説します。