三木谷社長「頭がちぎれるぐらい考えろ」早朝の会議で筆者は…

新型コロナウイルスの軽症者・無症状の感染者を、「楽天トラベル」に登録のある宿泊施設にて受け入れることを発表し、話題を呼んでいる楽天。「目標達成」を実現させている楽天社員の行動習慣とはどんなものなのだろうか? 楽天市場初期の主要メンバーとして事業部長を歴任していた小林史生氏は、書籍『楽天で学んだ「絶対目標達成」7つの鉄則』(日本実業出版社)にて当時の経験を語っている。

「活動量で勝負」のクセが抜けきっていなかった

◆「時間」をかける前にまず、やるべきこと

 

もう10年以上も前ですが、トヨタ出身の方で今も楽天で重責を務められている方が教えてくれたことがあります。その方の一言が、今でも目標達成の基本行動として胸に刻まれています。

 

彼は当時、週1回、朝7時から私を含む配下のメンバーを集めて社内でトヨタ式のオペレーション勉強会を開催してくれていました。その中で、ある日、「問題解決のときに使う順番は、『知恵』、『仲間』、そして最後の最後に『時間』だ」と、おっしゃっていました。

 

この意味は、最初に目の前に課題があり、その対策を考えるときは、いきなり「自分の時間」、つまり自分の活動量を高めて解決しようとしてはいけない、ということでした。最初は自分の「知恵」を使いなさい、つまり、「もっと短期間で効率的に解ける方法があるのではないか」と、まずは自ら必死に工夫の仕方を考えなさい、とのこと。

 

それがダメなときには、次は「仲間」の知恵を拝借して対策を考えてみなさい、というのが二つ目です。つまり、知っていそうな人に聞いてみたり、他の人の参考になりそうな意見を取り入れるということです。

 

それでもどうしてもいいアイデアが出ないときは、自分の「時間」、つまり自分の活動量を達成できるまで増やし続けなさい、ということでした。

 

当時の私は、楽天での経験もそれなりに積み、目標達成に対するこだわりは人一倍ありました。ただ、活動量で勝負という従来のクセがまだ抜け切れていませんでした。そのため、この方からいただいた言葉は、まさに目からウロコでした。

三木谷社長の言葉「頭がちぎれるぐらい考えろ」

目標を達成するためには時間をかけてでも達成までやり切る、というマインドはとても大切です。一方で、目標を達成し続けると、周りの期待値も徐々に高まります。目標の難易度自体も徐々に上がってきます。

 

また、人やプロジェクトを管理する立場になってくると、自分一人ではコントロールできないことがどんどん出てきます。そうすると、自分の活動量を増やすだけでは達成させることはより難しくなってきます。そういう経験をされている読者の方も多いかと思います。

 

三木谷社長はよく、「頭がちぎれるぐらい考えろ」と言っていました。これは、まさに先の自分と仲間の「知恵」をトコトン使うように、ということと同じ意味だと解釈しています。

 

余談ですが、必死で考えてうなっている人は何度も見ましたが、本当に頭がちぎれた人は今のところ見たことはありません。なので、まずは安心して自らの知恵をトコトン絞ることが重要です。

 

◆楽天で学んだ達成力+α 

勝ちグセ(目標達成グセ)がついたら、次は、もっと早く、もっと簡単に勝つクセをつける。

ECコンサルタント時代、毎月目標に追われていた

◆「早期達成サイクル」をつくると同じ努力でケタ違いの成果が生まれる

 

楽天市場でECコンサルタントだった頃、店舗の売上(流通総額)に加えて、店舗さんへの広告販売に関しても非常に高い目標を毎月追いかけていました。店舗さんへの広告販売というのは、楽天市場内にある各ウェブ上のページやニュースレターの広告枠を販売することです。

 

ECコンサルタントになった当初、これまでインターネット広告の販売経験がなく無形のものを販売することに対して苦手意識がありました。

 

また、初めて店舗さんに販売した最初の広告の反応がまったくなく無風状態だったため、その店舗さんから効果がまったくないと大変なお叱りをいただいた経験も重なり、苦手意識に拍車をかけました。

 

このような状況で、毎月の広告販売目標は、無理やり自分の目標達成のためだけに必ずしも最適ではない広告枠を販売する状態に陥ってしまいました。こうなると悪循環です。効果が現れず、購入いただいた店舗さんからお叱りをいただくことも増えていきました。

 

一方で、ECコンサルタントの中には、毎月の広告販売目標を余裕で達成し、またその提案した広告が店舗さんの売上に貢献し、感謝されている人が何名もいました。

「早期達成サイクル」に乗ることで、成功確率が高まる

ある日、中でもとくに優秀で、入社以来何年も毎月達成していた先輩ECコンサルタントのAさんと飲みに行く機会がありました。そこで自分の広告営業の悩みを打ち明けました。

 

色々と私の悩みを聞いてくれた後、彼からは、「小林君、僕が広告販売を連続達成している秘訣は、シンプルに一つ。他のECコンサルタントよりも先に、具体的には3か月先の広告販売を常に心がけているだけなんだよ。

 

理由は簡単で、小林君のように多くのECコンサルタントは、今月・来月の広告販売をすることに追われていて、3か月先の広告販売をしている人はいないでしょ。つまり、3か月先の広告枠は誰も手をつけていなくて選び放題。

 

店舗さんの商品やプロモーション企画やタイミング的に本当に適切な内容の広告枠をじっくり提案してあげることができるんだよ。

 

店舗さんにとっても、その企画ページのつくり込みや商品在庫を十分に積むといった準備ができて助かるし、当然、広告効果がうまくいく成功確率も高まるよ」とアドバイスをいただきました。

 

このアドバイスは考えてみれば当たり前のことなのですが、自分自身にとって非常に納得感がありました。確かにまったく同じ条件で営業活動をしても、人よりも先のアクションを取ることができれば、他者と争う必要性がなく、効率も効果もまったく別の良い結果を導くことができる、ということです。

 

競争せず、確実に効果を出すことが出来る「早期達成サイクル」
競争せずとも、確実に効果を出すことが出来る

 

翌日から、まずは「早期達成サイクル」を常に目標に設定して営業活動を行いました。そのサイクルに乗るまではとても大変だったのですが、早く負のサイクルから抜け出したい気持ちで必死でやりました。

 

そして3か月先の広告枠を提案・販売できるようになると、確かに店舗さんにとってベストな広告提案をできるようになりました。この広告をやりたい、と店舗さんから言われても、商材や切り口をお聞きして異なる広告枠を提案することもできるようになりました。

 

精神的にもよかったですし、何より提案した広告が店舗さんの売上に大きく貢献できたことがうれしかったです。単純に早期広告達成サイクルのリズムをつくることが、店舗さんとのWin-Winの関係を構築させてくれたのです。

 

結果として、自分のECコンサルタント時代、マネージャー時代をとおして8年間、広告目標を達成できなかったことは一度もありませんでした。これは、先輩のAさんの、あのときのアドバイスのおかげでした。

 

同じアクション・労力であっても、早く行うだけで、まったく違う成果を生み出してくれる、という本質的な気づきを与えてくれました。私の例は、広告販売でしたが、早期アクションが多くのことを解決してくれる、という意味では、いかなるビジネスにも当てはまると思います。

 

◆楽天で学んだ達成力+α

早期達成サイクルにきちんと乗るまでの期間を乗り切れば、あとは格段に楽になる。

 

 

小林 史生

株式会社鎌倉新書 取締役執行役員

株式会社鎌倉新書 代表取締役
社長COO

1974年生まれ。関西学院大学卒。デューク大学経営大学院経営学修士(MBA)。

2000年に楽天に入社。楽天市場初期の主要メンバーとして複数の事業部長を歴任。2007年からは楽天の国際化を推進し、国際戦略部長としてアジア・欧米での事業開発を担当。その後、米国に計8年間駐在し、カリフォルニアでは買収先企業の社長に就任。国内外で数々の企業のV字回復実績を持つ。

現在は東証一部上場企業の鎌倉新書にて、シニア領域で圧倒的No.1サービス企業を目指すべく経営メンバーとして活躍。

著者紹介

連載楽天で学んだ「絶対目標達成」7つの鉄則

楽天で学んだ「絶対目標達成」7つの鉄則

楽天で学んだ「絶対目標達成」7つの鉄則

小林 史生

日本実業出版社

スピードを上げる、できる方法を考えぬく、楽天「ならでは」の行動習慣を初公開! 30代で楽天が買収した赤字の米国企業の社長を任され、見事に再建した著者が、現場で実践してきた考え方、行動の仕方、習慣を7つのポイント…

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