SENSEX指数は20%を超える急落
■インド株式市場は、3月に入り、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に株式市場のパニック的な売りが広がるなか、急落しました。代表的な株価指数のSENSEX指数は、月初の38,000ポイント台から下げ足を強め、18日には、29,000ポイントを割り込みました。下落率は20%を大幅に上回り、弱気相場入りとなりました。インドの通貨ルピーも20日に1ドル=75ルピーと史上最安値を更新しました。景気の落ち込み懸念からリスク回避の資金流出が続き、海外投資家によるインド株式の大幅な売り越しが継続しています。新型コロナのインド国内の感染者数は21日時点で283人にとどまりますが、直近で増加しています。
インドも外出制限を発表
■インドのモディ首相は19日、新型コロナ対策として22日午前7時から午後9時まで全土を対象に外出禁止を命ずると発表しました。さらにインド政府は22日、首都ニューデリーなど主に大都市の住民に対し、23日から31日まで、原則として外出を控えるよう求めました。インドでも外出制限により、新型コロナの経済への悪影響が広がっています。
新型コロナウイルスの影響を見守る展開
■新型コロナ対策により、経済への影響が深刻になるリスクがあります。インドの通貨ルピーの対米ドル相場が過去最安値を更新するなか、当面株式市場からの資金流出圧力が続きそうです。一方で、株式市場の急落に伴い、予想ベースの株価収益率(PER)は14年以来の13倍台、株価純資産倍率(PBR)は13年以来の2.3倍に低下するなど、株価のバリュエーションに割安感が出ていることが下値を支えると期待されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株式市場、新型コロナ感染拡大で急落…2020年3月』を参照)。
(2020年3月23日)
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