豪ドルの下落続く
一時1豪ドル=70円台を割り込む
■豪ドルの対円相場は、1月下旬、中国の新型肺炎感染拡大の影響から下落した後、2月中旬までは総じて横ばいで推移しました。しかし、中国以外の国で新型肺炎感染拡大の報道が相次いだことから、2月下旬以降、市場でリスク回避の動きが急速に強まりました。世界的に株価が急落し、新興国通貨や資源国通貨が売られる中、豪ドルも下落し、一時1豪ドル=69円台をつけました。
豪州中銀は0.25%利下げ
追加緩和も示唆
■3日、豪州準備銀行(RBA)は政策金利を0.25%引き下げ0.50%としました。新型肺炎感染拡大を受けた速やかな対応が好感され、足元の豪ドルは小幅に反発しました。
■声明では、海外の新型肺炎感染拡大が留学や観光の不振など豪州経済に大きな影響を与えており、1-3月期のGDP成長率は予想を大きく下回ることが指摘されました。新型肺炎の世界的な感染拡大は豪州経済の回復を後ずれさせると予測されるため、利下げが適切であると判断したと述べています。
■RBAはまた、新型肺炎の拡大と影響を注意深く監視し、豪州経済を支えるため金融政策をさらに緩和する用意があると述べています。
豪ドルは下値を試す展開も中国生産再開で大きく買い戻される見込み
■当面の豪ドルについては下値を試す展開を予想します。中国以外の国への感染拡大が相次いでおり、世界景気への悪影響が懸念されることや、追加緩和期待が強まっていることが引き続き豪ドルへの下押し圧力になる見込みです。但し、豪ドルは中国との繋がりが深く早い段階から下落していたため、中国企業の操業再開の本格化が期待される段階では大きく買い戻されると予想します。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪州準備銀行、新型肺炎感染拡大懸念で利下げ決断…相場は好感』を参照)。
(2020年3月4日)
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