前回は、任意売却物件の売買を成功させるための「リスク回避」のポイントを2つ説明しました。今回は、任意売却物件を選ぶ際の重要なポイント「権利関係」について見ていきます。

「なぜ任意売却物件なのか」を十分に理解しておく

競売を回避して任意売却物件として売り出されるからといって、それが特殊な不動産であるということではありません。前回説明したように、任売物件が市場価格よりも2割程度格安なのは「権利関係が複雑」なことに加え、競売までの時間がないケースが多く、しかも通常の物件のようなオープンハウスができないことが理由として挙げられます。

 

また、任売物件はプロからプロへと販売されることが多いのですが、それは、販売する際に権利関係をクリアしなければならず、プロに売れば、そういったリスクも引き受けてくれやすいからなのです。

 

そのあたりの事情をきちんと理解して任売物件をチェックすることが重要になってきます。そういう意味でいえば、任意売却の場合は、通常の不動産のように「立地」や「築年数など建物の状態」「利回り」「ローンが組めるかどうか」「転売の見通し」といった物件選びの基本だけをチェックするだけではだめかもしれません。

一般的な基準だけで物件を選ぶのは禁物

任意売却最大の懸念事項である「権利関係の状況」を、ある程度は把握しておくことが大切といえます。これは、競売のケースでもそうですが、どんな抵当権が設定されていて、それらの状況がどうなっているのか、分かる範囲で仲介の不動産会社にきちんと確認しておくことが大切になります。要するに、任売物件の場合は、駅から近い、立地がいい、といった条件だけで選んではいけないということです。

 

ちなみに、チェックしておきたい「権利関係」というのは、重要事項ですから物件広告などにも必ず記載されています。具体的には下記のようなことを確認されることをお勧めします。

 

●任意売却物件かどうか

●債権者の実態

●抵当権や差押え登記の状況

●重要事項の確認

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    本連載は、2014年10月10日刊行の書籍『任意売却物件ではじめるローリスク不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    任意売却物件ではじめる ローリスク不動産投資

    任意売却物件ではじめる ローリスク不動産投資

    安田 裕次

    幻冬舎メディアコンサルティング

    サラリーマンが副収入を得る方法として注目を集める不動産投資。しかし不動産は決して安いわけではありません。 初期費用がかかるほどリスクは高くなるため、不動産投資の基本はできるだけ安価で条件の良い物件を探し出すこと…

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