2020年1月、原油価格は米イラン全面衝突回避で下落

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

原油価格は下落

米イラン衝突の影響は一時的

 

■北米の代表的な原油価格であるWTIは、1月初旬は米国とイランの衝突を背景に、一時1バレル=65米ドル台まで上昇しましたが、戦争が回避されたため同60米ドルを割り込み下落しました。その後も供給過剰懸念などから同58米ドル近辺で推移しました。

 

■米国とイランの対立が緊迫化し、昨年末から空爆など軍事力を伴う行動が頻発していました。しかし8日には、イランのザリフ外相が「相応の措置を完了した」とし、トランプ米大統領の声明も戦争を回避することを示唆するなど全面衝突は避けられました。

 

(注)データは2018年1月5日~2020年1月21日。WTIは原油価格の代表的な指標のひとつ。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
原油価格 (注)データは2018年1月5日~2020年1月21日。
   WTIは原油価格の代表的な指標のひとつ。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

OPEC非加盟国の供給増を加盟国減産で相殺

■1月15日に公表された石油輸出国機構(OPEC)月報の1月号によると、2019年の実績見込みでは、OPECの減産が奏功し、日量80万バレル程度の需要超過となりました。

 

■2020年の世界の原油需要は日量1億100万バレルと予想されています。米国などOPEC非加盟国の供給増が見込まれており、需給の均衡にはOPEC加盟国で2,947万バレルの供給が必要と見られます。昨年12月には協調減産の拡大が決定されており、減産が遵守されれば2020年は小幅ながら需要が供給を上回りそうです。

 

(注1)需給バランス=供給-需要。 (注2)単位は百万バレル(日量)。 (注3)2018年は実績。2019年は実績見込み。2020年はOPECによる予想。ただし、2020年のOPEC生産量は全体の需給が均衡するとの仮定のもとでの弊社算出値。 (注4)四捨五入の関係で、OPEC、非OPEC供給量の合計は必ずしも全体の供給量と一致しません。 (出所)「OPEC月報」のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
世界の原油需給見通し (注1)需給バランス=供給-需要。
(注2)単位は百万バレル(日量)。
(注3)2018年は実績。2019年は実績見込み。2020年はOPECによる予想。ただし、2020年のOPEC生産量は全体の需給が均衡するとの仮定のもとでの弊社算出値。
(注4)四捨五入の関係で、OPEC、非OPEC供給量の合計は必ずしも全体の供給量と一致しません。
(出所)「OPEC月報」のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

需給は緩和気味ながら地政学リスクに注意

■世界経済は製造業が底打ちしつつあり回復局面に向かうことが見込まれていますが、地域間等でばらつきが見られ、その動きは緩慢です。そのような中、原油価格はOPEC非加盟国の供給増などによる需給緩和と、OPECなどの減産や地政学リスクの高まりによる供給不安の綱引きになると見られます。

 

■米国とイランの対立激化は一旦、小康状態となりましたが、偶発的な武力衝突の可能性がなくなったわけではありません。足元の原油価格はおおむね落ち着いた動きとなっていますが、米国とイラン対立の余波により原油価格には上振れリスクが高まっているため注意が必要です。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年1月、原油価格は米イラン全面衝突回避で下落』を参照)。

 

(2020年1月22日)

 

関連マーケットレポート

2020年11月19日 米国・イラン情勢と日米株式市場の見通し

2019年12月17日 原油市場の2019年の振り返りと20年の見通し

 


調査部は、総勢25名のプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの高度な分析を行い、それぞれの見通しを策定、社内外に情報発信しています。三井住友DSアセットマネジメントの経済・金融市場分析面での中枢を担っている他、幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、活動する機会や媒体は多岐にわたります。年間で約1,000本の市場レポートを作成し、会社のホームページで公開中(2018年度実績)。

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連載【デイリー】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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