居住系か商業施設系か? サブリースの採用は?
物件を絞りこむために、その用途の確認も必要です。対象不動産が住居系であれば、実需なので経済の影響を比較的受けにくく、一般的に安定した賃料収益が見込めるといわれています。一方、商業施設系は、住居系にくらべ、賃料を比較的高めに設定することが可能で、景気が良いときには家賃を上げやすいことから、収益性が高いといわれています。
また、賃料を安定化するためにサブリースを採用している商品があります。サブリースとは、転貸借のことで、対象不動産をサブリース会社(転貸人)が借り上げ、そのサブリース会社が第三の借主(入居者)に転貸することです。契約にもとづいた一定の賃料がサブリース会社から支払われます。
空室リスクや滞納リスクを回避することができるため、一定の賃料収益を安定的に分配できます。ただし、賃料保証がされている分、“住居系の場合は賃料の約8~9割”、“商業施設系では賃料の約5~6割”の賃料収入になってしまうので、投資家への分配金は少なくなります。商業施設系は、サブリースをしないケースが多いです。
“どのような用途に使われているのか”“サブリースを採用しているか”によって、安全性を重視している商品なのか、収益性を重視している商品なのか、商品の特性が現れてきます。
最重要ポイントとなる事業者の「実績・信頼性・業績」
どこの会社が事業を営んでいるかを確認することは、最重要ポイントです。
現在、不特法の事業者には一定の基準が設けられ、国土交通大臣や都道府県知事の許可が必要となります。数ある不動産会社の中でも、資金面や管理体制など一定の基準をクリアーし、国や県からお墨付きを得た事業者ということになります。
ただし、事業者によって、実績や規模・設立年数が違いますし、小口化商品に対しての考え方や作り方にも違いがあります。
その事業者が不動産業界の中でどのような事業を行ってきたのか、また評判なども調べてみましょう。自分の大事な財産を投資するのですから、信用・信頼ができる事業者かどうかは大切なポイントです。
なお、経営状況も確認できれば、それに越したことはありません。以前の不動産小口化商品は、不動産会社の倒産が相次ぎ社会問題になりました。当たり前ですが、経営状態がよい会社のほうが倒産するリスクは低く安心です。
上場している会社であれば、ホームページ上にIR情報が公開されています。会社の業績や経営状況など一度目を通しておくことをお勧めします。
また、商品説明会やセミナーがある場合には、ぜひ参加することをお勧めします。セミナーの内容や社員の対応でその会社の雰囲気を知ることができます。会社の雰囲気を知ることは、信用・信頼できる会社かどうか1つの判断材料になるでしょう。
以上、3回にわたり小口化商品の選ぶ際に確認する点、注意するポイントをお伝えしてきました。なお、今回お伝えしたポイントの他にも、特長やリスクは各商品により異なりますので、十分に商品を理解し総合的な観点から判断し、投資することが大切です。