SENSEXは最高値圏で一進一退
■インド株式市場は、高値圏でもみあっています。代表的な株価指数のSENSEX指数は、11月28日に引け値ベースで史上最高値を付けた後、29日に発表された7-9月期のGDP成長率が前年同期比4.5%と6年半ぶりの低水準にとどまったことや、12月5日にインド準備銀行(RBI)が大方の予想に反して追加利下げを見送ったことが嫌気されて、やや上値が重くなりました。その後、先週末には米国が中国との貿易協議で第1段階での合意に達すると報じられたことや、英選挙で与党保守党の過半数確保が確実になったことから投資家のリスク選好姿勢が強まり、再び最高値に迫る展開となりました。
インド準備銀行は利下げ見送り
■RBIは12月5日の金融政策決定会合で、政策金利を5.15%に据え置きました。景気減速を背景に市場では6会合連続の利下げが予想されていましたが、インフレ率が上昇しているため政府の景気対策やこれまでの利下げの効果を見極める姿勢を示しました。RBIは緩和姿勢を継続しつつ、インフレが鈍化し始めるまでは追加利下げに慎重な姿勢をとるとみられます。また、20/21年度の政府予算案(2月1日発表予定)に景気対策が盛り込まれる公算があるため、追加利下げを行うタイミングは後ずれする可能性が高いと思われます。
最高値圏でもみあいが続く
■米中協議の進展で投資家のリスク選好姿勢が強まるなか、インド株式市場は当面底堅い展開が見込まれます。一方で、法人税減税のプラス効果を除けば企業業績見通しに改善傾向がみられず、実質的な株価バリュエーションに割安感がないことや、中長期的な財政悪化リスクが上値を抑えそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株式市場、高値圏でもみあい…2019年12月』を参照)。
(2019年12月16日)
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