固定資産投資は過去最低
民間投資の伸びが更に鈍化
■中国国家統計局は14日、主要経済指標を発表しました。1~10月の固定資産投資は前年同期比+5.2%と、1~9月(同+5.4%)から減速し、統計を遡れる1996年以降で過去最低となりました。
■固定資産投資の内訳をみると、約6割を占める民間投資が同+4.4%と、1~9月(同+4.7%)から更に鈍化しました。米中貿易摩擦の影響で引き続き民間企業の投資が抑制されています。インフラ投資も同+4.2%と、1~9月(同+4.5%)から鈍化しました。
鉱工業生産が大幅鈍化
小売売上高も鈍化
■10月の鉱工業生産は前年同月比+4.7%と、市場予想を下回り、9月(同+5.8%)から伸び率が大幅に縮小しました。自動車の生産が引き続き振るいませんでした。
■10月の小売売上高も前年同月比+7.2%と、市場予想を下回り、9月(同+7.8%)から鈍化しました。11月のインターネット販売の大規模セール前に買い控えが起こった可能性があります。
部分合意の実現と米中協議の更なる進展に注目
■景気が一段と減速するなか、中国政府は景気対策を継続し、景気失速を回避させるとみられます。ただし、財政バラマキ抑制方針の下で、インフラ投資の拡大ペースは控えめとし、最優遇貸出金利(LPR)の採用によって貸出金利を引き下げ、金融緩和への依存度を高めるとみられます。
■米中両政府は10月に行われた閣僚級貿易協議で、中国が農産品の購入再開で譲歩する代わりに、米国が追加関税を見直す暫定的な「部分合意」に達していますが、その実現と更なる合意に向けた米中協議の進展があるかが注目されます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『減速する中国経済…注目点は米中協議部分合意の実現と進展』を参照)。
(2019年11月14日)
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