2016年の第2四半期から本格稼動すると言われているアジアインフラ投資銀行(AIIB)。日本が主導するアジア開発銀行(ADB)との競合が話題になりますが、スリランカを舞台にして両行が協調を模索していることを、ADB総裁が明らかにしました。スリランカの現地メディアの報道をもとにお伝えします。

日中の協力の舞台としてスリランカは最適!?

マニラに本部を置くアジア開発銀行(ADB)は、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)と、スリランカでのプロジェクトを含むいくつかの案件で協力する予定であることを、ADBの総裁が明らかにした。

 

ADBとしてはAIIBと協調融資を始めることに対して前向きであり、詳細は明らかにしなかったが、いくつかの案件が候補としてあがっているという。その上で「スリランカは協力を始める最初の国になる可能性がある」とADBの中尾武彦総裁がスリランカのコロンボで答えた。

 

AIIBと協力するにあたり、ADBにはAIIBが必要とする技術や知識をもった人材が揃っていると、中尾総裁は自信を見せた。また中国にとってもスリランカは、中国進出口銀行(中国輸出入銀行)や中国開発銀行がインフラ開発への大規模な融資を行っており、また中国政府による人民元建ての貸付も行っているなど、支援の実績を積んできた地域である。

 

加えてADBと中国は、日本のJICAを含めた3者が主体となって、スリランカにおける最初の高速道路事業(コロンボ-スリランカ南部)に対する融資を行った実績があるなど、ADBとAIIBの協力の舞台としてスリランカは適した地域だといえる。

財政支援を含めてスリランカへの関与を深めるADB

ADB単独としても、スリランカへの融資を増やしていく予定であると中尾総裁は言う。具体的には過去3年間平均で年5億ドルであった対スリランカ融資を、2016年以降の3年間で約3割アップの年7億ドル、計20億ドルに増やすつもりだという。また融資対象も、これまでの一般道や普通教育を中心としたものから、高速道路や高等教育を対象にしたものへとADBはシフトしている。

 

一方で、中尾総裁はスリランカの財政悪化に懸念を示し、その改善の必要性についても言明した。そしてその上で、「我々は予算支援型の融資も含めて融資額を増やしていくこともありえます。」と語った。

 

スリランカでは2015年に、一般市民に負担を押し付ける形で、国家公務員に対する給与や特定団体に対する補助金を引き上げている。その財源として中央銀行は紙幣を増刷し、結果、スリランカ・ルピーの下落を招いたとして、現在、スリランカでは問題になっている。

この記事は、GTAC提携のスリランカのニュースサイト「EconomyNext」が2016年2月23日に掲載した記事「ADB looks to join China's AAIB to finance Sri Lanka」を、翻訳・編集したものです。

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