日銀、現状の大規模緩和策維持を決定…10月31日

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

現状の金融緩和策を維持

フォワードガイダンスは変更

 

■日銀は10月31日、金融政策の現状維持を決定しました。短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債利回りをゼロ%程度とする金融調節を維持しました。また、長期国債の買入れ額や上場投資信託(ETF)やリートの買入れ方針も据え置きました。

 

■フォワードガイダンス(先行きの指針)については、20年春頃までとしてきた時間軸を削除し、「物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれるおそれに注意が必要な間、現在の長短金利の水準またはそれを下回る水準で推移することを想定」に変更しました。

 

(注)データは2015年1月~2019年10月。 消費者物価(除く生鮮食品、前年同月比)は2019年9月まで。 (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
政策金利と消費者物価 (注)データは2015年1月~2019年10月。 消費者物価(除く生鮮食品、前年同月比)は2019年9月まで。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

経済・物価動向を点検

成長率、物価見通しとも引き下げ

 

■日銀は同日、3カ月に一度の「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」を公表しました。景気については21年度までの期間を通じて、緩やかな拡大が続くとの認識を維持しました。ただし、成長率見通しは19年度0.6%、20年度0.7%、21年度1.0%とし、前回7月からそれぞれ引き下げました。

 

■また、消費者物価指数(除く生鮮食品)の上昇率見通しも19年度0.7%、20年度1.1%、21年度1.5%と、前回からそれぞれ引き下げました。

 

(注1)大勢見通しは、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて幅で示したもの。 (注2)前年度比、単位は%、<>内は政策委員見通しの中央値。 (出所)日本銀行の公表資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成
政策委員の大勢見通し (注1)大勢見通しは、各政策委員が最も蓋然性の高いと考える見通しの数値について、最大値と最小値を1個ずつ除いて幅で示したもの。
(注2)前年度比、単位は%、<>内は政策委員見通しの中央値。
(出所)日本銀行の公表資料を基に三井住友DSアセットマネジメント作成

日銀は当面現状維持

■日銀は9月会合で示した経済・物価動向の点検を行い、成長率見通しと物価見通しを引き下げました。ただし、設備投資を中心に内需は底堅く、海外経済の下振れリスクも米中貿易交渉の「部分合意」でやや和らいだことに加え、市場が株高・円安基調にあることから、マイナス金利の深掘りを軸とする追加緩和策は温存すべきとの判断に至ったと考えられます。一方で、市場に緩和に前向きな姿勢を示すため、長短政策金利の水準について引き下げる可能性を盛り込むフォワードガイダンスの見直しを行ったとみられます。日銀は、円高や株安が加速しなければ、当面現状の大規模緩和を維持するとみています。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日銀、現状の大規模緩和策維持を決定…10月31日』を参照)。

 

(2019年10月31日)

 

関連マーケットレポート

2019年10月02日 『日銀短観』、大企業製造業が3期連続悪化

2019年09月19日 日銀は現状の金融政策を維持(2019年9月)

 


調査部は、総勢25名のプロフェッショナルを擁し、経済や金融市場について運用会社ならではの高度な分析を行い、それぞれの見通しを策定、社内外に情報発信しています。三井住友DSアセットマネジメントの経済・金融市場分析面での中枢を担っている他、幅広い投資家に良質な情報を伝えるべく、活動する機会や媒体は多岐にわたります。年間で約1,000本の市場レポートを作成し、会社のホームページで公開中(2018年度実績)。

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連載【デイリー】マーケットレポート/三井住友DSアセットマネジメント

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