株式市場は月半ばから持ち直し
■インド株式市場は10月上旬に下落したものの、その後は米中貿易交渉での部分合意や、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る英国とEUの条件合意、法人税減税に伴う企業業績の上振れを好感して、持ち直しました。代表的な株式指数のSENSEX指数は39,000ポイント台を回復し、7月上旬以来の高値圏にあります。10月のパフォーマンスをみると、SENSEX指数は小幅高となっています(28日時点)。ただし、個別銘柄では、不正会計による利益水増しの内部告発があったITサービス大手のインフォシスが急落しました。
企業業績は堅調見通し
■7-9月期の決算発表が本格化するなか、インド政府が9月に発表した法人税減税の効果で、多くの企業の利益が伸びています。日用品のヒンドゥスタン・ユニリーバなど一部の企業は予想を上回る業績発表が好感されました。ブルームバーグの市場コンセンサスによれば、インド企業の19年のEPS(1株当たり予想利益)は前年比29%の増益、20年は同20%の増益が予想されています(対象はMSCI採用銘柄)。
世界的なリスク選好や景気底入れ観測で底堅く推移
■米国が中国との貿易協議で部分合意に達するなど米中交渉の進展期待や、英国の合意なきEU離脱が回避される見通しが高まるなか、投資家のリスク選好が強まり、足元は世界的に株式が上昇地合いにあります。加えて、インドでは追加の利下げや景気刺激策により、年度後半の景気底入れが見込まれることから株式市場は底堅く推移すると期待されます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株式市場が持ち直した要因とは?…2019年10月後半』を参照)。
(2019年10月29日)
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