7-9月期の業績はマイナス成長
マイナス成長は2016年4-6月期以来
■米国ではこれから業績発表が本格化します。S&P500種採用企業の2019年7-9月期決算は前年同期比▲3.1%(リフィニティブ集計10月10日付)となる見通しです。前年同期比でマイナス成長となるのは2016年4-6月期以来です。
「情報技術」のマイナス幅拡大が影響
「エネルギー」、「コミュニケーション・サービス」なども減益見通し
■セクター別に見ると、「エネルギー」が同▲33.7%、「情報技術」が同▲7.6%とマイナス幅を拡大すると見られるほか、「コミュニケーション・サービス」がマイナス成長に転じる見通しです。「情報技術」は時価総額比率が20%を超えており、「情報技術」のマイナス幅の拡大がS&P500全体を減益に転じさせた主因と言えそうです。
7-9月期が利益成長の大底。2020年は2桁の増益を期待
■7-9月期の企業決算がどの程度悪化するかを見極める必要がありますが、2020年までの業績見通しを確認すると、この7-9月期が利益成長の大底となりそうです。続く10-12月期は「金融」、「公益事業」が2桁の増益に転じると期待されます。
■2019年は2桁増益となるセクターはありませんが、2020年は11セクターのうち6セクターが2桁の増益となる見通しで、企業業績は次第に回復傾向が強まると期待されます。業績に対する信頼が強まることで、米国株式市場は引き続き堅調な推移が期待されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米国企業業績の伸び率は7-9月期に大底を形成へ』を参照)。
(2019年10月11日)
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