
本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。
■9月の主要資産利回りは、米中の閣僚級協議が10月に再開される見込みとなったことが好感されてリスク選好度が高まったため、主要国の国債利回りが軒並み上昇しました。社債利回りは世界投資適格社債、日本高格付社債の利回りが上昇し、米欧のハイ・イールド社債利回りは低下しました。
■リートの配当利回りは、豪州、香港が上昇し、米国、欧州、日本、シンガポールが低下しました。豪州は利益確定売りや主要銘柄が世界的な不動産証券指数から除外されたことからリート価格が下落しました。また香港では、長引くデモが重石となりリート価格が下落しました。これらを受けて配当利回りが上昇しました。米国、日本、シンガポールなどはリートが堅調に推移し価格が上昇したため、利回りが低下しました。
■9月はリスク選好度の高まりから主要な株式市場が軒並み上昇したため、株式の配当利回りは低下しました。BDCの配当利回りも低下しました。一方、MLPの配当利回りは上昇しました。

(注2)MLPは有限責任組合(Master Limited Partnership)で、米国で行われている共同投資事業形態の1つです。エネルギーや天然資源に関する事業などを行っているMLPがあります。BDCは米国の事業開発会社(Business Development Companies)です。銀行とは異なる企業形態で、中堅企業等向けに、融資や出資(株式の取得など)を行う会社です。
(出所)Bloomberg L.P.、野村證券金融工学研究センター、S&P Dow Jones Indices LLC、FactSetのデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米中協議再開見込みを受け、国債利回りは上昇』を参照)。
(2019年10月9日)
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