20代サラリーマンは、毎月いくら「貯金」すべきなのか?

2019年9月、国税庁により「民間給与実態統計調査」の結果が発表されました。本調査によると、サラリーマンの平均年収は441万円とのことです。年金問題をはじめ、少子高齢化による働き手不足など、老後不安につながる問題が尽きないなか、この年収のなかから資産を形成していくしかありません。老後資金の形成手段として、まずあげられるのは「貯金」ですが、一体毎月いくら程度を貯めていけばいいのでしょうか。本記事では、財形貯蓄や定期預金を活用した、20代から習慣化すべき資産形成術を見ていきます。

「毎年100万円の貯金」は現実的?

◆毎年100万円は貯めたい・・・けれど

 

「定年退職したときに、退職金とは別に3000万円の貯蓄が必要です」

 

銀行や保険のパンフレットで、ときどきこんな文言をみかけます。一体、どうしたらそんなに貯まるのでしょうか? よく聞くのが「今はお給料が少ないから貯められない」というものです。

 

ですが、これって大きな誤解です。お給料はこれからそんなに増えません。結婚や出産、住宅購入、進学などで出費が増えることはあっても、上がり続けることはありません。いま動かないと、永遠に貯まらないのです!

 

◆目標は毎年100万円!

 

目標が毎年100万円というと、かなりハードルが高いように思えます。ですが、これはあくまでも目標です。できるだけ20代の内にこの目標が達成できるようにしましょう。20代でできれば、30代、40代も続けられる可能性が飛躍的に上がります。

 

最終的には、40年近い社会人生活のなかで3000万円貯められればいいのですから。平均すると年間75万円、月にすると6.25万円です。

 

◆自営業者・フリーターは、定期預金を利用する!

 

銀行の窓口へ行って、定期預金を組みましょう。これは、誰でも組むことができます。いつでも解約できますし、とても便利です。最初は、無理のない金額にすることがポイントです。続けることが何よりも大切だからです。毎月1万円でも、40年続けられれば500万円近くになります。

サラリーマンは「財形貯蓄」の活用を

◆20代会社員の貯金は財形が基本!

 

会社員の方は「財形貯蓄」を利用しましょう。これは、お給料から天引きしてくれる便利なものです。なにしろ、手元にお給料が届く前に、会社が勝手に貯金してくれるから勝手に貯まります。引き出す際には、経理に連絡したり、書類を書いたり、とっても面倒です。つまり、会社を辞めるときくらいしか、普通は解約しないのです。これを新入社員時代に組んでおけば、あとの貯蓄計画がとっても楽になります。

 

会社員なら「財形貯蓄」を利用
会社員なら「財形貯蓄」を利用

 

◆自宅暮らしの会社員は月10万円が基本!

 

自宅暮らしの会社員の方はとても有利です。なにしろ、同期が家賃で毎月8万円くらい支払っているのに対して、タダ同然で住むことができているのです。また、食費や水光熱費も浮くでしょう。もちろん、実家に納めるお金も考慮すべきです。

 

でも、実家に5万円程度を納めていても、やっぱり一人暮らしの同期より、お金の自由度は高いのです。こんなチャンスはありません。今のうちに毎月10万円くらいは貯めましょう!

 

できないことではありません。同期のなかには、カツカツの生活でも貯めている人がいるのですから。これもやっぱり定期預金が便利です。自分の意思で毎月貯められる人など、まずいませんから。

 

◆会社員はボーナスを全て貯金しなさい

 

ボーナスが年に2回ある人は、銀行の定期預金でボーナス月だけ引き落とされるように設定しましょう。できれば、ボーナス全額がいいです。ボーナスで一気に貯金できれば、かなり有利になります。これも、できれば20代から習慣化しましょう。お金というのは使う額になれてしまうと、絞るのは難しいからです。

 

◆結婚・出産までに貯めよう!

 

遊ぶときは思いっきり遊んでかまいません。ですが、貯金と遊びは切り離しましょう。最初に、定期預金や財形でお給料から天引きで毎月定額を貯金します。残りをパッと遊んで使えばいいのです。逆にしてしまっては、いつまでたっても貯まりません。

 

◆少ない貯金額で投資をすると失敗するから投資はしないほうがいい

 

最近では、投資が少額からできますが、貯金額が少ない人はしないほうがいいです。

 

なぜか? 投資は結果が不明瞭だからです。儲かるときもあれば、損をするときもあります。長期で投資に臨んだほうがいいのですが、資金が少額ですと不満足です。

 

たとえば、資産1億円で10%のリターンを得たら1000万円です。結構な額で満足できます。でも、資金が100万円の場合は、同じ10%のリターンでも10万円の利益です。なんだか物足りなくて、頻繁に売買を繰り返します。つまり、短期勝負になりやすくなるのです。すると、どんどん投資が難しくなります。投資では、長期で分散投資が原則です。焦ってはいけません。

 

◆退職時に3000万円の現金が貯まっていたら無理に投資をしない

 

退職後に投資を始めたい人もいるかもしれませんが、これも危険です。もしも退職時に、きちんとした貯蓄額と、まとまった退職金があれば、貯金でかまいません。あとは、年金と合わせて消費していくのもある意味健全です。お金が少ないから、投資で一気に増やそう、と老後に考えることほど怖いことはありません。

 

【まとめ】

 

●目標は毎年100万円

●会社員は財形を使う

●自営業者・フリーターは定期預金を使う

●ボーナスがある人は全額貯金が基本

 

 

佐々木 裕平

金融教育研究所 代表

 

金融教育研究所 代表

1979年生まれ、広島市出身、2013年より金融教育研究所代表(旧名:佐々木FP事務所)

書籍の執筆・個別相談・公開講座(セミナー)を中心に、金融教育を推進中。金融・保険商品の販売・勧誘・斡旋は行っておらず、中立公正な立場から金融教育に努める。定期的に公開講座を開催中。
公開講座ではiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてニーサを使用した資産形成の普及啓もう活動を行う。

所属学会・協会:行動経済学会/日本FP協会/金融財政事象研究会

著書に「入門 お金持ち生活のつくり方」(こう書房)、「ストレスゼロの絶対貯金」(青月社)、「学校では教えない! お金を増やす授業」(ぱる出版)がある。

著者紹介

連載1級FP技能士が伝授!賢い個人投資家になるための「正しい金融リテラシー」

本連載は、「金融教育研究所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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