0円賃貸導入後、オーナーが負担する三つの費用とは?
今回は、0円賃貸を導入することで、収支が具体的にどう改善するかについて説明していきます。収支シミュレーションを提示する前に、0円賃貸導入後、オーナーに負担をお願いしている三つの費用をまとめておきます。
①契約家賃3か月分の入居促進費
②管理費(月額家賃の5%)
③会費2000円(シングル)・3000円(ファミリー)
ただし、この三つは成約後に発生するため、成約しない限り費用負担は一切かかりません。
まず①の「入居促進費」は、現在払っている「広告料」にプラス2か月分と理解してもらえるといいでしょう。広告料が家賃1か月分の場合は、それに2か月分をプラスして計3か月分ということです。
ただし、入居促進費は成約後3か月間の家賃と相殺することができるため、手元に現金がなくても利用できます。
この入居促進費は、筆者の会社が利益として得るわけではありません。3か月分のうち1か月分は、入居者募集を委託する仲介会社にそのまま従来の「広告料」として渡します。残りの2か月分は、本来は入居者が入居時費用として支払っていた仲介手数料、火災保険料、家賃保証契約料、玄関鍵交換代、消毒代に当てることになります。ここでは入居を早く決めるための最善の方法で入居促進費の3か月分を活用していると理解していただければと思います。
②の管理費5%については、0円賃貸を導入する、しないにかかわらず、管理会社に物件の管理を委託すれば発生する費用です。したがって、後述の収支シミュレーションには含めないことにします。
③の会費については、原状回復(経年劣化)におけるオーナーの負担をゼロにするための費用です。原状回復費をオーナーが実費で負担する場合、この会費は不要となります。そのため、会費も収支シミュレーションには含めないことにします。
先行投資という負担なく空室の解消が可能
ここまでの内容を踏まえた上で、下記図表をご覧ください。
[図表]収支シミュレーション
これは「通常募集」「ゼロゼロ」「0円賃貸」の三つの条件で募集した際の収支シミュレーションです。
通常募集での空室期間は依頼を受けた時点で既に6か月間だったので、成約に要する期間も6か月と設定しています。ゼロゼロ物件はそれよりも競争力があるため、成約までの期間は4か月に短縮しています。0円賃貸は前述のとおり平均約1か月で決まりますから、成約までの期間は1か月で計算しています。
0円賃貸は他の二つの募集条件と比べて入居促進費が2か月分、多くなっています。それでもゼロゼロ物件と比べても9万5000円の現金が多く残ります。
今後の空室期間が2か月以上にわたると予測される場合、その機会損失額(月額家賃×2か月分)を入居促進費に振り替えるだけで、他の競合物件と圧倒的に差別化できる「入居時費用ゼロ円物件」として募集をかけられるのです。
「入居促進費を多く支払うのは損をしているように感じる」と思われるかもしれません。しかし何も手を打たなければ空室が続き、機会損失額が増えていくだけです。その損失額のうち2か月分を、より競争力のある仕組みに「投資する」という考え方を持てるどうかが重要です。
さらに0円賃貸は先行投資が一切必要ありません。入居促進費の3か月分は家賃と相殺することもできるため、手許現金(先行投資)がなくてもこの仕組みを利用できます。「興味はあるけれど不安もある・・・」そうした方の場合、まずお試しで導入し、効果を確かめてみるという始め方も可能なのです。
先行投資が必要ないというのは、空室に悩むオーナーにとって大きなメリットであるのは間違いありません。先行投資の負担ゼロで物件の競争力を高め、空室を早期に解消できるのです。