同じ給与でも差が…「貯金できる人」と「できない人」の違い

少子高齢化を起因とした、働き手の減少に有効な解決策が見出されないまま、世間には老後不安が広がっている。まず、老後資金への対策として挙げられるのが「貯金」である。老後に2000万円必要とも言われているが、貯金額の差をわける要因は何なのだろうか。本記事では、「貯金できる人」と「貯金できない人」の差について考察する。

45年間で2000万円を貯金しようとすると?

昨今、老後に2000万円が足らない問題が出ています。そこで、対策として真っ先に思い浮かぶのが「貯金」です。


※お金を貯める行為は、正確には郵便局は「貯金」、銀行では「預金」という。本記事では、一般的に広く使われる「貯金」で統一する。


仮に、20歳から65歳(公的年金受給年齢)までの45年間で2000万円を貯金しようとする場合、毎月いくら貯金すれば達成できるでしょうか。正解は、3.7万円程度です。

 

毎月3.7万円の貯金を45年間続けられる?
毎月3.7万円の貯金を45年間続けられる?


ところが、多くの人はそんなに貯金ができていないのが現実です。一説では、全世帯のおよそ半分が貯蓄がゼロという話も耳にします。また、同じ給料でも、貯金ができる人、できない人のグループが発生します。


貯金ができている人の多くは、天引き貯金、積み立て貯金、会社の財形貯蓄制度などを利用しています。人間の性質を利用して、使う前にお給料を天引き貯蓄するのですね。


同じお給料でも、貯金ができないグループは、天引き貯金、積み立て貯金、会社の財形貯蓄制度などを利用していない人が多いです。


貯金できるグループであっても、同じお給料でも、資産額に差が出てきます。理由はいくつも考えられますが、理由の一つに「資産形成の金融知識の差と実際の投資行動」が挙げられると思います。それは、資産形成・運用をしているか、していないかの差です。

貯金だけでは「貧富の差」は拡大するばかり!?

近代の貧富の差の原因の一つに資産形成があります。


①お金に余裕があって投資する人→資産形成にお金を回し、資産が時間経過とともに増大する


②お金に余裕があるが、投資しない人→低金利の貯蓄にとどまり、時間経過しても資産額が①のグループほど増えない


③貯金できない人→資産形成そのものができないので資産ができない

 

③のグループは資産形成がいつまでもできません。②のグループは資産が形成できるものの、低金利なので増えてはいきません。①のグループは増えていきます。


そのため、①のグループはますます豊かになり、②と③のグループとの経済的な格差が拡大していきます。これが近代の貧富の差の原因の一つだと筆者は考えています。


①、②、③グループの貧富の差の拡大は世界的な問題です。そして、永遠に存在し続けるテーマだと思います。


ここで大切なのは「こんな世界はいやだなあ」とグチをこぼすことではない気がします。個人個人ができるだけ①の状態になれるように、貯金と資産形成を進めていくことだと思います。

 

総務省が行った世論調査によると、老後に向け、公的年金以外の資産をどのように準備したいかという質問に対して、「預貯金」をあげた人は72.2%と最も高かったそうです。以下、「退職金(退職一時金や企業年金など)」(34.9%)、「民間保険会社などが販売する個人年金」(21.0%)、「証券投資(株式や債券、投資信託など)」(14.6%)、「国民年金基金」(13.4%)と続きます。

 

やはり、まだまだ老後の資産形成には貯金とのイメージが強いようです。筆者は、一人一人が経済的に自立し、老後資金に困らないようにすることが、社会を明るくする手段の一つだと考えています。上記のなかで、自助努力として行えるのが投資です。そのためにも、iDeCoやつみたてNISAの活用を検討しましょう。

 

 

佐々木 裕平

金融教育研究所 代表

 

金融教育研究所 代表

1979年生まれ、広島市出身、2013年より金融教育研究所代表(旧名:佐々木FP事務所)

書籍の執筆・個別相談・公開講座(セミナー)を中心に、金融教育を推進中。金融・保険商品の販売・勧誘・斡旋は行っておらず、中立公正な立場から金融教育に努める。定期的に公開講座を開催中。
公開講座ではiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてニーサを使用した資産形成の普及啓もう活動を行う。

所属学会・協会:行動経済学会/日本FP協会/金融財政事象研究会

著書に「入門 お金持ち生活のつくり方」(こう書房)、「ストレスゼロの絶対貯金」(青月社)、「学校では教えない! お金を増やす授業」(ぱる出版)がある。

著者紹介

連載1級FP技能士が伝授!賢い個人投資家になるための「正しい金融リテラシー」

本連載は、「金融教育研究所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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