金融庁による「老後資金として2000万円必要」とも読める報告書により、年金制度の危うさに改めて注目が集まった。本報告は、年金制度改革のため、国民に資産形成の自助努力を求めたかたちとなっていたが、実際、年金はいくらもらえるのだろうか。本記事では、保険料納付の実績や将来の年金給付に関する情報を知らせる「ねんきん定期便」について取り上げる。

自宅に届く「ねんきん定期便」をチェック!

公的な年金は基本的に65歳以降に受け取れます。※60歳や70歳など、早めたり遅らしたりもできます。


さて、皆さんはご自分の年金がいくらもらえるのか、ざっくりとご存じでしょうか?

 

定期的に皆さんの自宅に「ねんきん定期便」というはがきが届きます。これをチェックしてみましょう。

 

<例:会社員10年、自営業10年の人の場合のねんきん定期便>


これは仮の話ですが、会社員として10年勤めたあと、独立して自営業を10年している40代の人がいるとします。

 

すると、ねんきん定期便には下記のような文言が書いてあることがあります。※詳細は、その人の状況や収めた金額によって変化します。


●会社員時代収めたお金 300万円
●自営業者時代納めたお金 200万円
●合計 500万円


上記が、これまでに支払った年金のお金です。では、仮にここで掛け金を一円も将来支払わない場合、将来65歳などになったときにいくら受け取れるのでしょうか?


一例では、およそ60万円程度です。つまり、上記の場合、65歳以降に毎年およそ60万円を受け取れる「可能性」があります。毎月換算では、毎月5万円程度の生活費になります。

 

65歳以降、毎年約60万円を受け取れる可能性が
65歳以降、毎年約60万円を受け取れる可能性が

 

◆毎月5万円の年金受給額では、6720万円の生活費が不足する?


仮に、毎月の生活費が21万円の人がいるとします。その人の年金受給額が月換算5万円の場合、毎月16万円が不足します。


5万円-21万円=-16万円


毎月16万円が不足しますので、その分資産を取り崩さないといけません。仮に100歳まで生存した場合、35年間あります。

 

つまり、-16万円×12か月×35年=-6720万円です。※一人暮らしの場合


老後に2000万円不足する問題などが取り上げられていますが、この人のケースでは、7000万円近くが不足します。

 

◆ねんきん定期便に書いてある年金額はあてになる? ならない?


さて、自宅に送られてくるねんきん定期便ですが、これに書いてある金額通りに受け取れるでしょうか?


正解は、よく分からないです。このまま、少子高齢化と長寿化が進行すると、ほぼ確実に年金受給額は減少すると考えられます。これは、お金を出す若い方が減って、受け取る高齢者(未来の私たち)が増えるので、どうしても年金受給額が減ってしまうことが予想されるからです。

自営業者の年金は「5万円」程度の想定が現実的!?

ちなみに自営業者の場合は、満額でも年金受給額は「現在」で6.8万円(月換算)です。自営業者は、わりと真剣に資産形成を考えないとまずい、と筆者は考えています。


ただ上記のように、今後は受給額が減っていく可能性がありますので、心づもりとしては、現在価値で毎月5万円程度の年金受給額を想定しておくとよいのではないかと考えています。足りない部分は、現役時代に資産形成をしないといけません。これは自助努力です。iDeCoもつみたてNISAも、自分の意志で始めないと誰も誘ってくれません。

 

◆会社員の場合は、いまの年収の30%程度を想定しておくといい?


会社員の場合は、非常に乱暴なイメージですが、年収の3割程度の公的年金が受給できるというイメージを持っておくとよいかと思います。

 

年収500万円の人は、年150万円の需給を想定してみる、ということです。もちろん、もっと多いかもしれませんし、少ないかもしれません。


自営業者は年金が基礎年金しかありませんので、満額でも6.8万円という現状ですが、男性の会社員は平均16万円程度を受給できているようです。


つまり、会社員の夫と専業主婦の奥様の場合は、16万円+7万円=23万円が平均で現状受け取れている。


それに対して、月に28万円で生活をすると、毎月5万円が不足します。


-5万円×12ヵ月×35年間=-2100万円 ※二人暮らしの場合

 

この場合は、噂通りに2000万円不足します。この事実をしっかりと受け止め、資産形成について早め早めに考えていくことが重要です。

 

 

佐々木 裕平

金融教育研究所 代表

 

本連載は、「金融教育研究所」掲載の記事を転載・再編集したものです。

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